変わる南の島 タイ現代文学ノート(8)|福冨渉
日本でも多少ニュースになっていたが、2023年5月14日、タイで下院の総選挙が実施された。
このコラムでも繰り返し触れているが、2000年代に入り、タイ国内では、ポピュリスト政治家のタックシン・チンナワットを支持する市民(いわゆる赤服)と、強い権力と人気を集めるタックシンを嫌い、王室護持を訴える市民(いわゆる黄服)とのあいだの対立が激化した。この対立を収拾するという名目で、王室と密接な関係をもつ軍が2014年にクーデターを行なった。
軍事政権下で2016年に新国王のラーマ10世が即位したのち、2019年に下院の総選挙が実施された。この選挙で創設1年目のリベラル派政党「新未来党 พรรคอนาคตใหม่」が第三党に躍進するが、翌年に、党首のタナートーン・チュンルンルアンキットから政党への「不正な融資」を理由に、解党の命令が下る。これをうけて、バンコクを起点に、大学生を中心とした若者たちによる民主化運動が発生したというのは、日本でも報道されていた通りだ。
当初、運動の中心的な要求は、軍事政権の退陣や、軍政に有利な形で制定された憲法の改正だった。だが徐々に、タイ社会におけるさまざまな対立構造の根底には王室の存在があり、その改革こそが急務であるという主張がなされるようになっていく。
これも何度も触れているように、タイには王族や王室への批判を封じる、刑法112条、通称王室不敬罪がある。2020年の8月以降、王室改革を求める若者たちの運動が激化する中で、警察や軍によるデモの弾圧と、活動家たちの逮捕が続いた。
当初は、若者たちによる運動への社会的な関心も高く、デモへも多くの人が集まっていたが、時間が1年、2年と経つうちに、その規模も縮小していった。いくらデモを続けたところで、軍政の態度は軟化せず、むしろ逮捕者は増えていく一方であり、その結果、運動はますます過激なものになって、求心力を失っていったのだ[★1]。
また、若い活動家たちが逮捕されるたびに、多額の保釈金が必要となった[★2]。ゲンロンカフェにも登壇したことのある編集者のアイダー・アルンウォンらが設立した「人民の意志基金 กองทุนราษฎรประสงค์」などが、その都度ソーシャルメディアを通じて寄付金を集めて、若者たちの保釈金を支払っていたが、連続すれば支援する市民にとっての負担となった。
とはいえ、この3年のあいだに、神聖不可侵とされてきた王室という存在への批判や疑問を是とする空気は確実に醸成されてきた。それは同時に、王室との強い結びつきのもとで、軍が不当な権力を振るう政治状況への不信を一段と高めることにもつながった。あげく2022年の末には、親軍与党である「国民国家の力党 พรรคพลังประชารัฐ」が内部の派閥対立で分裂し、首相のプラユット・チャンオーチャーが小政党の「タイ団結国家建設党 พรรคไทยรวมสร้างชาติ」に移籍するという事件が起こる。
こうした状況の中迎えたのが、冒頭に述べた2023年の総選挙だ。当初は、タックシン元首相の娘ペートーンターン・チンナワットを首相候補のひとりに据えた「タイ貢献党 พรรคเพื่อไทย」の圧勝が予測されていた。だが蓋を開けてみれば、2020年に解党された新未来党の関係者たちが設立し、王室不敬罪の廃止を公約として掲げた実質的に唯一の政党である「前進党 พรรคก้าวไกล」が、500議席のうちの151議席を獲得し、第一党となった。
本稿執筆時点(2023年5月)ではまだ選挙管理委員会による議席の最終確定は行われておらず、前進党を中心とした連立政権についての議論が進み、下院の大勢がどのようになるかは不透明だ。また前進党党首で首相候補のピター・リムチャルーンラットの議員資格はく奪を目論む動きもある。
だがなんにせよ、今回の総選挙の結果が、2014年のクーデター以降の(あるいは、戦後70年をかけて、国王を政治の頂点に置く「タイ式民主主義」を構築してきた)タイ社会における、なんらかの変化を示しているとは言えるだろう。
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この変化を象徴するようで興味深いのが、「南の島」のリゾート、タイ南部プーケット県の選挙結果だ。県内の小選挙区の3議席とも、前進党が勝利している。だが2019年の総選挙では、県内の議席はすべて親軍与党の国民国家の力党が獲得していた。その前の2011年の総選挙では、当時の与党であり、タイで最も古い王党派政党の「民主党「พรรคประชาธิปัตย์」が、72%の得票率で圧勝している。2007年の総選挙も民主党だ。2005年も変わらない。国民国家の力党にせよ民主党にせよ、保守・王党派が圧倒的に強い選挙区だったのだ。
もともとタイの南部は、「(候補者の代わりに)電柱を送り込んでも選挙に勝てる」という言い回しがあるほどに、民主党が安定的に強い地域だとみなされていた。これは南部に保守や王党派が多いといった単なるイデオロギーの問題だけでなく、民主党がうまく地元の有力者を取り込んでいったことや、1990年代に南部出身で民主党議員の首相が誕生したことが関係しているらしい[★3]。
プーケットにおいても基本的な文脈に違いはない。ただ華人の多いタイにおいて、潮州系華人の多いバンコク(やその他地域)と異なり、プーケットには、福建系の華人を中心としたコミュニティが形成されている。これは、19世紀にビルマ軍の攻撃などをうけて人口が激減した街の開発のために、現マレーシアのペナンから多数の中国移民を誘致したことが由来となっている。このためプーケットの華人は、バンコクよりもマレーシアやシンガポールなど旧海峡植民地の華人移民に共感を覚えており、彼らと現地の人々とのあいだの子孫たちを指す「ババ」や「プラナカン」といった呼称を自称する傾向にある。
2000年代の初頭から、プーケットでは、民主党が強い影響力を持つ県自治体や支庁が先導し、政府機関や王族からの支援を得る形で、ババ・プラナカン文化の再評価運動が進んだ。移民文化の独自性を主張する運動には、一見、分離運動や内乱などの政治的リスクが潜むようでもある。だが、プーケットの場合はその外来文化のエキゾチシズムが観光資源の一部として消費されており、摩擦を生み出しにくい。また、民主党=王党派とのパイプのもとで展開された運動には、大前提として、タイの国家や王室への強い忠誠が想定されてもいた[★4]。
2010年代には、民主党の勢力が全国的に衰えていくが、その票田を、2014年以降の親王室クーデター政権である国民国家の力党が引き継いだ。そんな強い保守・王党派の地盤を持つように見えるプーケットで前進党が大勝した理由については、今後の詳細な分析を待つ必要があるだろう。
だが現時点で見られるいくつかの推論としては、第一に、全国的な前進党フィーバーの波及というものがある。南部の他県ではプーケットほどの大勝を収めているわけではないにしろ、南部全体の60小選挙区のうち25の小選挙区で前進党が勝利しており、生活インフラの整備が十分でないといった既存政党への失望感や、前進党への期待が広がっている可能性はある[★5]。また第二に、第一の理由ともつながるが、コロナ禍における観光産業への打撃が影響しているとの指摘もある。プーケットでは県の経済の8割を観光産業が占めているとされる[★6]。新型コロナウイルスの感染拡大によって苦境に陥った地元住民とコミュニティに対して、既存政党が十分な支援や復興策を提示できなかったとするものだ[★7]。いずれにせよ、かつて南部で民主党支持が広がった理由と同じように、イデオロギーだけではなく、現実的な生活上の困難や要請にも由来するものと考えるほうがよいのかもしれない。
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では、そんな南の島の政治的「変節」の様相は、文学作品にどう描かれているのだろう。ウィワット・ルートウィワットウォンサー วิวัฒน์ เลิศวิวัฒน์วงศา が執筆した、2014年から2020年までのプーケットを舞台とする3つの連作短篇を見てみよう。それぞれ2014年、2020年、2021年に書かれており、現実の政局がほぼリアルタイムで反映されている。ウィワットは1978年にプーケットに生まれ、現在もプーケットを拠点に活動している作家だ。本人も華人の一家出身で、自らを、ゆるやかながらも「ババ」であると認識している。
2014年に発表された「2527年のひどく幸せなもう1日 อีกวันแสนสุขในปี 2527」は、プーケット出身で、バンコクの企業で働く女性マーリーと、その周囲の人々の、軍事クーデター前後の日々の混乱を描いている[★8]。彼女は政治的に無垢で、それゆえに保守的=王党派的な振る舞いをする人物として描かれていて、密かに好意を寄せる同僚の男性エムの気を引くため、彼に誘われた「デモ」に参加する。
「エム、その男の名前はエムと言った。彼はマーリーにホイッスルをひとつ買ってくれた」「多くの人々が路上に出て、不平等な法律に反対している」(いずれも13頁)といった記述から、このデモが、2013年から2014年にかけてバンコクを中心に発生した、反タックシン・親王室団体PDRCのデモであることがわかる。国旗柄のストラップがついたホイッスルを吹き鳴らすことで話題となったこの団体は、タックシン元首相の妹であるインラック政権の提出した法案への反対を理由に、バンコクの主要交差点を封鎖する反政府デモを開催し、政権の退陣と軍事クーデターを導いた。
読み進めるうちに、マーリーの保守的な性向が、実家に住む両親からの影響を強くうけたものでもあることが見えてくる。両親は、プーケットでも開かれているPDRCの反タックシン派デモに参加しているが、父親は若い女性と不倫をしており、夫婦関係には亀裂が入っている。その閉塞感や怒りから逃れるため、母親はバンコクのデモに参加しようと、長距離バスに乗ってマーリーの元を訪れすらする。
本作では、主にこの両親の言動が、この南の島の政治的傾向を表すものとして描かれている。父は、不倫相手の若い女性が、タックシンの票田である東北タイ出身であると知るやいなや、「きみは赤服なんだろう?」「東北タイのやつらはみんな同じだ」(いずれも35頁)と揶揄する。母のほうは、汚職にまみれた(とされる)タックシン政権を敵視し「悪を追い払うのは、市民としての避けられない義務だ」(47頁)と考えているし、クーデターが発生すれば「一夜にしてすべての問題が解決してしまったみたいに心が躍った」(57頁)と歓喜する。
その後、オーストラリアに留学していた息子、すなわちマーリーの兄が帰国する。彼は留学先でタイ史を学んだことで、軍や王室の権力に疑問を抱くようになっており、帰国後は反クーデター活動に赴く。SNSで拡散されたその写真を見て、母は息子が「何も言わずに帰国しただけでなく、国の平穏を乱していること」(79頁)に怒り、号泣しながら本人に電話をかける。また、プーケットの中高時代の友人たちは、政治活動だけでなく、ゲイであるというセクシュアリティも嘲笑の対象にして、彼を「炎上」させていく。2010年代前半のプーケットにおける政治的状況が、意見を異にする人間を排除して、追い込んでいくさまを浮き彫りにしている。
一方、そんな状況に疑問を持ち、変化を志向していく人々の姿は、2020年と2021年の短篇に描かれる。
2020年の短篇「失望の歌 เพลงผิดหวัง」では、先の作品のマーリーとおぼしき若い女性に焦点が置かれている[★9]。クーデターによってPDRCのデモも開催されなくなり、片思い相手のエムも会社を退職してしまい、彼女は喪失感に襲われる。群衆を懐かしみながら迷い込んだコンサート会場で、彼女は6歳年下のムーンという女性と出会う。自身と正反対の政治思想を持ち、タトゥーを身体に入れ、髪を短く切り、躊躇なく飲酒をする大学生に、マーリーは惹かれていく。
だがそれでもなお、プーケットの母の呪いに、マーリーは脅かされ続ける。ムーンに誘われてバンコクからプーケットまで深夜のドライブに出かけるマーリーだが、実家の島が近づくにつれ、母の視線を強く感じるようになる。「彼女がバンコクに進学したとき、彼女が男性の友人に片思いしたとき、彼女がデモに参加したとき、彼女がひとりでいるとき、母は閉め切られた部屋で座っている。テレビの画面は娘の人生を映している。1日に24時間、1週間に7日、1年に52週間、28年。それが母の愛なのだ」(158頁)。
酩酊の中、ムーンと身体を交えようとするマーリーだったが、「(自分は)まだ純潔を守っている。そこかしこから見つめる母の視線を恥ずかしがるべきだ」(164頁)と感じて、ムーンの欲求を拒絶する。翌朝には相手をひとりバンコクに帰宅させ、自分は、ビーチで日焼けした肌をどう説明するかすら心配しながら、母の待つ実家へと帰っていく。新世代の人々が登場して、プーケットの保守的な価値観を象徴するかのようなマーリーに変化のための問いを与えてくれるが、結局彼女は、そこから抜け出すことができずにいる。
この物語をさらに発展させたとも感じられるのが、民主化運動のさなかの2021年に書かれた「燃える ลุกไหม้」だ[★10]。本作にはマーリーは登場しないが、マーリーの境遇をトレースしたかのような男女が、主要な登場人物として描かれている(また、前作のムーンの兄弟であるサンが登場している)。
各章でそれぞれ「あなた」と二人称で呼ばれるこの男女は、どちらもプーケットで暮らす、同じ高校出身の旧友どうしだ。ともに、現地の保守的な政治状況に閉塞感を覚えている。だが前2作と圧倒的に異なるのは、ふたりを支配してきた母が、すでに死んでいることだ。時代の変化と、家族の桎梏からの解放が重なって、ふたりの行動は、社会の状況に抗うものになる。
作家志望で母とふたり暮らしを続けてきた男のほうは、「はるか昔に死んだ愛する男と、国の元首に、恩義を感じる」(160頁)ような母との関係の中で、自身を見失い続けていた。2020年の母の死後、コロナ禍でプーケットの街全体が寂れていく中、彼はバンコクでの民主化デモの動画を見て心を癒やす。そこで見かけた自分そっくりの青年の姿を追ってバンコクに向かった彼は、その青年(サン)と出会い、一晩を過ごす。そしてプーケットに戻ったのち、ババ・プラナカン建築の自宅にある吹き抜けの洗い場で、母のさまざまな遺品を燃やす。銀行で毎年配布されていた「巻かれた分厚い紙の束」(170頁)──すなわち、国王の御真影が印刷されたカレンダーとともに。
大学時代に母を亡くしている女のほうは、仕事を転々としている。新未来党が第三党に躍り出た総選挙の年には、バーテンダーとして、雨傘革命を経験した香港の青年ネイサンと知り合う。そこに作家志望の男も一緒になって、放埒な性的関係を持つ。そして2020年には「島のロックダウンが発表される前の最後の朝」(172頁)に、部屋の荷物をまとめて、バンコクへと移住する。バンコクで1日16時間シフトのコンビニ店員として働く彼女は、可能な限り民主化デモにも参加するようになるが、そこで、前述の青年サンが国王の御真影に放火している様子を目撃してしまう。秘密を共有したふたりは、バンコクの安アパートで身体を重ねることになる。
実際、2020年の民主化運動に臨んだ若者たちも、国王ラーマ10世の御真影を燃やすという「不敬」な行為に及んでいた。「燃やす」ことが実社会と登場人物たちを結んでいるこの作品は、プーケットにおけるイデオロギー的な変化を示しているとも言える。
だがそれだけではなく、新型コロナウイルスの流行をうけて、プーケットでの暮らしに困難を感じた登場人物が、生活の必要に駆られて島を抜け出し、バンコクに移住しているところも興味深い。思想的な影響だけでは、ラディカルな変化を生む原動力として不十分なのかもしれない。
また「2527年」と「失望の歌」では忌避されていた同性愛行為が、「燃える」では、男とサンや、男とネイサンとのあいだでたびたび繰り返されているのも注目に値するだろう。さまざまな男性と関係を持つ女のほうの描写とあわせて考えれば、それまでの作品の「母」が表明していたような、貞淑さと異性愛を強い規範とする保守的な価値観に、真っ向から抗うような物語としても読むことができる。
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今回の総選挙の結果が、一時的な変化の表れに過ぎないのか、今後のプーケット社会の姿を変えていくものなのかは、まだわからない。ただ、今回紹介したテクストにも書かれているように、現地の人々は、さまざまな信念や思想の相克の中でもがきながら生きている。プーケットは、青い海と白砂のビーチに包まれた、のんびりしたリゾート地というだけではないのだ(とはいえ、南の島に行くのなら、ビーチでなにも考えず海を眺めたいと思ってしまう気持ちも、否定はできない)。
【追記】
タイ社会を覆った「前進党フィーバー」がうたかたの夢だったかのように、選挙から3ヶ月のあいだで状況は変わった。前進党党首のピターが、首相に就任することはなかった。2017年に軍事政権が制定した憲法の規定により、首相の選出は、選挙によって選ばれる下院議員500名だけでなく、軍政が指名する上院議員250名も参加する投票でなされるからだ。王室や軍政と強く結びつく上院議員が、不敬罪の改正を公約に掲げる政党党首に信任を与える可能性は、そもそも低かった。
7月13日の第1回首相指名投票で上院議員からの得票をほとんど得られなかったピターは、同19日の第2回投票において、投票への立候補自体を認められなかった。そして同日の審議中に、メディア企業の株保有を理由に、憲法裁判所がピターの議員資格の一時停止を決定した。
その後、総選挙で第二党になったタックシン派のタイ貢献党が前進党を連立から排除し、9月に、軍政政党を含む11党の連立政権を樹立した。首相には貢献党所属の実業家セーター・タウィーシンが就任した。また直前の8月末には、貢献党の優位をうかがったタックシンがタイに帰国している。
総選挙で第一党となった政党が「下野」し、民主派の一角を担うと考えられていた貢献党が軍政政党と手を組んだことで、選挙に変化の期待をかけた市民のあいだには失望が広がっている。既存の権力構造が形を変えて温存されているだけともいえる新政権のもとで、タイ社会は、そして「南の島」は、これからどんな選択をしていくのだろう。
★1 若い民主活動家たちによるハンガーストライキなども行われたが、行為の危険性と比べたときに、多くの共感や注目を集めたとは言いづらい。下記の拙稿も参照のこと。福冨渉「タイの若者たちが紡ぐ新しい『物語』」、『アステイオン』98号、2023年、192-197頁。
★2 金額は事件によって異なるが、不敬罪で活動家が逮捕される場合、1件あたり、大卒初任給の5-10倍程度(10万-20万バーツ)の保釈金が必要となることが多い。
★3 Sutthipath Kanittakul. “ส่งเสาไฟฟ้าลงก็ชนะ? ทำไมคนใต้ถึงรักประชาธิปัตย์อย่างมั่นคง คุยกับ 2 นักรัฐศาสตร์.” The MATTER . 19 Jan. 2022. URL=https://thematter.co/social/politics/re-election-and-democrats-party/165617
★4 本段落と前段落の記述は、タイの華人や少数民族の文化を研究する人類学者、片岡樹の論文に多くを拠っている。片岡樹「想像の海峡植民地──現代タイ国のババ文化にみる同化と差異化 」、『年報タイ研究』第14号、2014年、1-23頁。
★5 ”ทำไมก้าวไกลถึงแลนด์สไลด์ภูเก็ต? คุยกับนักวิชาการการเมืองใต้ ที่มองว่า ‘ภาคใต้ก็อยู่ในกระแสความเปลี่ยนแปลง’.” The MATTER. 18 May 2023. URL=https://thematter.co/brief/203902/203902 ; “เลือกตั้ง2566 : เปิดวาร์ป 3 หนุ่มก้าวไกล ว่าที่ ส.ส.หน้าใหม่ภูเก็ต.” Thai PBS. 15 May 2023. URL=https://www.thaipbs.or.th/news/content/327820
★6 Adryel Talamantes. “Phuket ‘goes local’ amid COVID-19 tourism slump.” NIKKEI Asia. 9 Dec. 2020. URL=https://asia.nikkei.com/Life-Arts/Life/Phuket-goes-local-amid-COVID-19-tourism-slump
★7 ”ทำไมก้าวไกลถึงแลนด์สไลด์ภูเก็ต?.” The MATTER. ; “เลือกตั้ง2566.” Thai PBS.
★8 วิวัฒน์ เลิศวิวัฒน์วงศา. อีกวันแสนสุขในปี 2527. เม่นวรรณกรรม, 2014. 邦訳は以下。ウィワット・ルートウィワットウォンサー「2627年のひどく幸せなもう1日」、『東南アジア文学』14号、2016年、94-135頁。以下、各作品からの引用は、筆者がタイ語の原文から翻訳し、そのページ数を引用部の括弧内に示す。なお作品タイトルの「2527年」は、タイで一般的に使用されている仏暦の2527年、すなわち西暦1984年を指す。これは、軍事クーデター直後の言論弾圧の状況をディストピア小説になぞらえて、ジョージ・オーウェルの『1984年』が広く読まれるようになったことをうけたタイトルで、主人公マーリーの兄の誕生年を示してもいる。
★9 วิวัฒน์ เลิศวิวัฒน์วงศา. “เพลงผิดหวัง.” รักของทารกวิกลรูป. เม่นวรรณกรรม, 2020, น. 151-168.
★10 「燃える」は、日本での短篇アンソロジー出版のために書き下ろされた作品で、タイ語版は出版されていない。ここでの引用は、以下の書籍に掲載した拙訳からのものである。ウィワット・ルートウィワットウォンサー「燃える」、『絶縁』、小学館、2022年、139-180頁。
福冨渉