冷戦の亡霊に抗して──現代韓国政治から考える  理論と冷戦 最終回|イ・アレックス・テックァン(訳=鍵谷怜)

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2025年5月10日刊行『ゲンロン18』

 


☆1 Mark Fisher, Capitalist Realism: Is There No Alternative? (Winchester: Zero Books, 2009).(マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』セバスチャン・ブロイ、河南瑠莉訳、堀之内出版、2018年。)
☆2 1987年6月、民主化デモの要求を受け入れた全斗煥政権とその後継に指名されていた盧泰愚は民主化宣言を出し、大統領の直接選挙を含む改憲を約束した。
☆3 Gérard Duménil and Dominique Lévy, Capital Resurgent: Roots of the Neoliberal Revolution, trans. Derek Jeffers (Cambridge: Harvard University Press, 2004).
☆4 インターネットなどのデジタル・メディアを主たるプラットフォームとして展開されるアクティヴィズムの形式。
☆5 2016年5月17日にソウル・江南駅近くのカラオケバーのトイレで女性が殺害された事件。犯人の男は被害者の女性と面識はなく、犯行動機は女性への憎悪(ミソジニー)だとされている。
☆6 北朝鮮は2024年の憲法改正によって、韓国を「敵対国家」に位置づけた。合わせて、朝鮮半島の平和統一に関する内容を削除したとされる。
☆7 北朝鮮は、ウクライナと戦争状態にあるロシアに対して2023年以降武器支援を行なっており、24年には戦闘部隊を派兵した。
☆8 トランジション研究(Transition Studies)とは、社会や経済、技術などの変化の過程を研究する分野のことで、とりわけ持続可能な社会への移行を中心的なトピックとして取り上げることが多い。

イ・アレックス・テックァン

68年生。慶熙大学教授。専門は文化研究。編著書に『共産主義の観念3』(スラヴォイ・ジジェクとの共編)、『ドゥルーズのあとの共産主義』(いずれも未邦訳)など。
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