ゲンロンβ52|編集長=東浩紀

2020年8月21日[金]発行

  • 1|柳美里 ステイホーム中の家出 #37
    来月刊行予定の『ゲンロン11』から、柳美里さんのエッセイの前半部を先行掲載。柳さんは緊急事態宣言下の「ステイホーム」という言葉になにを嗅ぎとり、なぜ「家出」をすることにしたのか。珠玉のエッセイをお楽しみください。
  • 2|東浩紀 観光客の哲学の余白に 第22回 郵便的連帯と「接触」 #37
    3年前に『観光客の哲学』で、訂正可能性による連帯を提唱じた筆者。コロナ禍で一変した世界で、その「郵便的連帯」の可能性を再度探ります。同書の増補版で鍵となるはずだった「接触」の重要性とは。
  • 3|高橋沙奈美 つながりロシア 第13回 コロナ・パニックと東方正教会(1) この世の終わりとよみがえったラスプーチン #37
    コロナ・パニックと復活大祭が重なり、公衆衛生と信仰のあいだで揺れるロシア。そのなかで現れた新たなトリックスター、セルギー修道士とは何者なのか。現代の「ラスプーチン」の姿に迫ります。
  • 4|田中功起 日付のあるノート、もしくは日記のようなもの 第2回 「ミルクとミルクの合間、そして芸術の経験」7月17日から8月15日 #37
    「この原稿はさっきあげたミルクと次にあげるミルクとの合間に書いている」。育児により断片化した生活は、映像作品の鑑賞に似ていた?自身の創作の実践から、アーティストと観客の関係を再考します。
  • 5|星野博美 世界は五反田から始まった 第20回 武蔵小山の悲哀(2) #37
    五反田のほど近く、武蔵小山にある満蒙開拓団の慰霊碑。その商店街には、「転業」のため満洲に渡った人びとがいました。再開発のさなかにある武蔵小山から、彼らの生活と当時の社会に光を当てます。
  • 6|春木晶子 北のセーフイメージ(3) 物語支配論 #37
    アイヌの酋長を描いた《夷酋列像》。そのモチーフに取られた無数の神話や伝承の断片は、全て「日本」を守護し、その中心に座す存在を讃えるために配されていた――。三分載の完結編です!

表紙写真:福島県南相馬市小高区にある相馬小高神社から小高川を見下す風景。本誌収録のエッセイで柳美里さんが歩く散歩道は、この川沿いの遊歩道。2020年7月27日撮影。この日小高神社では、国の重要無形民俗文化財「野馬懸」が、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため無観客で開催された。撮影=村上朝晴(フルハウス副店長)

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