ゲンロンβ38|編集長=東浩紀
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2019年6月24日[月]発行
- 1|東浩紀 悪と幸せの問題――『テーマパーク化する地球』刊行に寄せて #37『テーマパーク化する地球』を刊行したばかりの東浩紀の新エッセイが早くも登場!20世紀は最も悪が行われ、同時に最も人が幸せだった時代でもある。哲学はその意味を語りうるのか。渾身の書下ろしです。
- 2|本田晃子 亡霊建築論 第2回 エイゼンシテインの『全線』とソフホーズの亡霊 #37自然主義を排し、現実自体を取り込むこと——アヴァンギャルド演劇の理念を継承しながら、年代的にすれ違った構成主義建築とソ連映画。その例外としてエイゼンシテイン『全線』を論じる。そこにはル・コルビュジエとの意外な接点が……。
- 3|北井聡子 つながりロシア 第8回 親族制度のその先へ 初期ソ連のヒロイン達の冒険――家族の破壊から巨大な家族へ #37家族の解体を試みたはずのソ連は、いかに強大な家父長的秩序を生み出したのか。ソ連初期のラディカルな「新しい女」を描くふたつの物語から、回帰する家族の影を探る刺激的論考。
- 4|星野博美 世界は五反田から始まった 第6回 戻りて、ただちに杭を打て #37大人気連載の第6回は町工場「星野製作所」のお話。遊び場だった町工場、せわしなく働く父、そして祖父や姉妹の思い出——あたたかな物語のなかにふと入りこむ焼け野原の記憶がほろ苦い名エッセイ。
- 5|飛浩隆 「第3回ゲンロンSF新人賞」講評録 #375月に行われた第3回ゲンロンSF新人賞選考会。その選考委員を務めた飛浩隆氏による候補作品への講評を特別掲載! 当日語られたことから語られなかったことまで、必見の技法や心得が満載です!
- 6|吉田雅史 アンビバレント・ヒップホップ 第19回 変声を夢見ること――ヴォコーダーからオートチューンへ―― #37地声への近さが独特のリアリティを生み出すラップにとって、音声加工はいかなる意味を持つのか。ヒップホップとオートチューンの関係性から「ロボ声」がエモさを生むメカニズムを分析する。
- 7|藤城嘘 五反田アトリエからのお知らせ #37アトリエコーナーでは、韓国を拠点に活動する美術批評家・紺野優希さんをゲストキュレーターにむかえた『「新生空間」展——2010年以降の新しい韓国美術』の模様をお伝えしています!ぜひご覧ください。
表紙写真:6月14日にゲンロンカフェにて行われた『テーマパーク化する地球』の刊行記念イベント「東浩紀がいま考えていること」で講演する東浩紀。『観光客の哲学』以後の新たな思考の展開と、ゲンロンの今後などについて熱く語られた。撮影=編集部</p>