読書大国? タイ タイ現代文学ノート(11)|福冨渉

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2025年5月10日刊行『ゲンロン18』

(編集部より)

 福冨渉さんのシラスチャンネル「福冨渉のタイでワッタナタムしてください」がこの春に開設されました。ぜひご覧ください。


★1 探してみたところ、まだページが残存していた。「東南アジアに文学があるの?と聞いた上司」、「発言小町」、2011年。URL=https://komachi.yomiuri. co.jp/topics/id/439496/
★2  “Road to Reading Society ทางสร้างสังคมการอ่าน.” สารคดี, ปีที่ 29 ฉบับที่ 346, 2013, น. 88─89.
★3 肌感覚だが、2010年くらいまでは、ぼくが現地で出会ったひとたちにタイの「ワンナカム/วรรณกรรม/文学」に興味があると伝えても、この単語自体を知らないひともたくさんいた。そういうときは、代わりに「ニヤーイ/นิยาย/(本になった)おはなし・小説」という語を使うと通じた。もちろんぼくが会うひとのタイプが時期によって変わっていったという側面もあるだろう。
★4 ภิญญพันธุ์ พจนะลาวัณย์. “‘หนังสือดี 100 เล่มที่คนไทย ควรอ่าน’: ชาตินิยมในวรรณกรรมและทัศนะของปัญญาชนหลังวิกฤตต้มยำกุ้ง.” The 101. World. 29 Jan. 2025. URL=https://www.the 101.world/100-must-read-thai-books/; ธนาพล ลิ่มอภิชาต และ วริศา กิตติคุณเสรี. “ประวัติศาสตร์และการเมืองของวาทกรรม ‘หนังสือดี’.” อ่าน, ปีที่ 1 ฉบับที่ 3, 2008, น. 39─40.
★5 ただこのリストの知名度自体はかなり高く、学校教育の場や、出版における販促においても利用されていた。ぼくはかつて、バンコクのギャラリーで出会った北欧からの移住者に「タイの文学はこのリストにある100冊を読めば終わりなんだ、おまえの仕事は楽勝だな」と言われて、ケンカになりそうになったことがある。
★6 寡聞ながら、この記念日の存在は本稿を書くなかで初めて知った。แม้นมาส ชวลิต และ สุจิตร สุวภาพ. “ทศวรรษแห่งการอ่านของประเทศ: 2 เมษายน...วันรักการอ่าน.” วารสารห้องสมุด, ปีที่ 53 ฉบับที่ 2 (ฉบับพิเศษ), 2010, น. 9─10.
★7 後述する公営図書館TK Parkが作成した報告書に指摘がある。この公営図書館は首相府の傘下で運営されており、当時とは政権が異なるとはいえ、かなり踏み込んだ問題提起をしている。สำนักงานอุทยานการเรียนรู้. เข็ม: สำรวจปรากฎการณ์และความเปลี่ยนแปลง 10 ปี ทศวรรษ แห่งการอ่าน พ.ศ. 2552─2561, สำนักงานอุทยานการเรียนรู้, 2019, น. 30.
★8 เข็ม, น. 10.
★9 สมาคมผู้จัดพิมพ์และผู้จําหน่ายหนังสือแห่งประเทศไทย พฤติกรรมการอ่านและการซื้อหนังสือของคนไทย, สมาคมผู้จัดพิมพ์ และผู้จําหน่ายหนังสือแห่งประเทศไทย, 2024, น. 2.
★10 「令和5年度「国語に関する世論調査」の結果について」、「文化庁」、2024年。URL=https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodo happyo/ 94111701.html
★11 「平日の読書時間 半数の子どもはゼロ分」、「朝日学生新聞社」、2023年。URL=https://www.asahi.com/asagakuplus/article/asasho/15044626
★12 เข็ม, น. 11. ; รายงานการศึกษาพฤติกรรมการอ่านและ การซื้อหนังสือของคนไทย, น. 31.
★13 個人的な経験として、コロナ禍下でタイへの渡航ができない時期でも、流行のBL小説をすぐにEPUBで購入して、自動読み上げ機能でオーディオブックとして読むことができたので、かなり助かっていた。そもそもタイ語は読みのルールが比較的に厳密な表音文字を使用しているので、自動読み上げの精度はかなり高い。
★14 URL=https://www.readawrite.com/
★15 もうひとつの巨大小説サイトで、ファンタジー作品の多いfictionlogものぞいてみた。「タイの小説 นิยายไทย」のランキングトップの作品は、1作品が全2097話あり、そのビュー数は390万と、大きな数字を叩き出していた。こちらの作家の作品も、どれも紙書籍としては出版されていないようだ。URL= https://fictionlog.co/
★16 เข็ม, น. 42─51.
★17 それぞれのサイトがどうマネタイズしているのかは今後もっと調べてみたいと思っているが、たんに広告収入に頼っているだけではなく、大手の出版社や新聞社が運営していたり、国際的な助成を受けていたりと、いろいろなパターンがあるようだ。
★18 福冨渉「タイ現代文学ノート#2 バンコクの独立系書店」、『ゲンロン4』、2016年、318─324頁。
★19 たとえばタイ最大の書店チェーンであるSE-EDは、2012年に438あった支店数が、2022年には261まで減少している。大手出版社アマリンが経営する書店ナーイ・インは、2012年が200店舗で、2022年が125店舗。かたやチェーンではない独立系の書店は2013年に全土で250店舗ほどあったものが、2022年には170店舗ほどになっているというデータがある。 สิ่งเกินจำเป็น!.” กรุงเทพธุรกิจ. 28 Mar. 2022. URL=https://www. bangkokbiznews.com/business/995997; “#save ร้านหนังสืออิสระ ปลุกวัฒนธรรมการอ่าน.” ผู้จัดการออนไลน์. 11 Mar. 2023. URL=https://mgronline.com/daily/detail/ 9660000022409; เข็ม, น. 67.
★20  29 ปี.” ประชาชาติธุรกิจ. 14 Oct. 2024. URL=https: // www.prachachat.net/d-life/news-1678469
★21 “นิยายวาย-ยูริ โต 2 พันล้าน ต่อยอดสินค้า-ลิขสิทธิ์ ถูกใจ จีน เกาหลี ญี่ปุ่น.” ประชาชาติธุรกิจ. 20 Sep. 2024. URL= https://www.prachachat.net/d-life/news-1656661
★22 実際、タイの書籍市場全体の規模は現在170億バーツ(750億円)程度とされていて、10年前の2014年の290億バーツと比べるとだいぶ下がってしまっている。ただそれでも、コロナ禍で底を打って以降は毎年の成長が続いている。“ส่องทิศทางวงการหนังสือกระเตื้อง 1.7 หมื่นล้าน - ‘อีบุ๊ก’ มาแรง สูงวัย นิยม.” Thai PBS. 17 Oct. 2024. URL=https://www.thaipbs.or.th/news/content/345379
★23 赤服デモ隊の強制排除については、『ゲンロン12』の拙稿も参照のこと。福冨渉「死の記憶と忘却──タイ現代文学ノート特別篇」、『ゲンロン12』、2021年、282─297頁。
★24 先述のThe Matterとその経営元である出版社のSalmon.は、2020年から2021年の民主化運動を記録したルポルタージュを出版している。กรุณพร เชษฐพยัคฆ์ และ อัษฎาวุธ บุญฤทธิ์ศักดิ์. #Whats 
Hap p eningInThailand และแล้วความหวังก็ปรากฏ, Salmon/The Matter, 2021.
★25 “สมมติว่า 5 ตุลาฯ.” readAwrite. 2021. URL= https: // www.readawrite.com/a/11b912a50d6ab0d798cbe8687387bdc9
★26 歴史学者ナッタポン・チャイチンの博士論文を書籍化した『将軍、封建制、ハクトウワシ ขุนศึก ศักดินา และพญาอินทรี』。URL=https://www.facebook.com/ photo?fbid=4824275514288136
★27 เข็ม, น. 11. ; รายงานการศึกษาพฤติกรรมการอ่านและ การซื้อหนังสือของคนไทย, น. 28─29.

福冨渉

1986年東京都生まれ。タイ語翻訳・通訳者、タイ文学研究。青山学院大学地球社会共生学部、神田外語大学外国語学部で非常勤講師。著書に『タイ現代文学覚書』(風響社)、訳書にプラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』(ゲンロン)、ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』(河出書房新社)、Prapt『The Miracle of Teddy Bear』(U-NEXT)など。 撮影=相馬ミナ
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