読書大国? タイ タイ現代文学ノート(11)|福冨渉

しばらく重めの作品論みたいなものが続いていたので、今回はすこしコラムらしく書いてみようかと思う。
大学院生のころ、なにかを調べようと思って検索サイトを利用していると、「発言小町」のある相談のページに行き当たった。「発言小町」とは読売新聞社が運営している電子掲示板で、利用者が悩みを投稿すると、ほかの利用者が回答してくれるしくみになっている。一般的にはおそらく女性が生活の悩みを投稿するサイトとして認識されていると思うのだが、そのときぼくが見つけたのは、東南アジアの小説についての相談のページだった。
「東南アジアに文学があるの?と聞いた上司」と銘打たれたそのスレッドには、会社員とおぼしき利用者からの相談が書かれていた[★1]。いわく、ベトナムから来日した研究者を会社の宴会に招いたところ、相談者の上司が研究者に対して「えっ?ベトナムに文学があるの?」という発言をしてしまった。研究者のほうはたいへん立腹して、今後そのような偏見をもつ日本人とは会いたくないということを言っている。相談者自身はとても恥ずかしく残念に思っていて、今後の仕事においては、アジアについての理解が深い日本人だけを当該の研究者と会わせるほうがよいだろうか……というものだ。
目指す解決の部分のピントがすこしズレているような気もするが、回答は、相談者に同情的なものと、日本でのアジア理解なんてそんなものだ/ベトナムの文学が知られていないのは事実だ、というようなものに二分されていた。ぼくのほうは、ひたすらに「研究の社会的意義」を強調させられる助成金の申請書に辟易して、「そもそもタイ文学なんてだれも知らねえよ」と気持ちがくさっていたところだったので、このスレッドを「まあそうだろうよ」という冷めた目で見ていた記憶がある(助成金には落ちた)。
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東南アジアという地域を「遅れた」ものとして見る、無意識的あるいは意識的な視線は、そう珍しいものではない。言語の障壁が高くなる文学の話ともなれば、まなざしはより強いものになるだろう。件の相談から15年近く経った現在も、認知は多少広がったものの、状況はそんなに大きくは変わっていない。
ただ、いまさら日本でのタイ文学の認知度についてぼやきたいわけではない。書きたいのは、タイ側での状況の変化についてのほうだ。
これまでもいろいろなところで紹介しているが、それこそ15くらい前までは、タイで本や文学の話をするときに必ずと言っていいほど引き合いに出される数字があった。「タイ人は1年に7、8行しか本を読まない」というものだ。2001年に国家統計局が実施した読書量の調査で、タイ人の平均読書時間が1日「2.99分(2分59秒)」であるというデータが発表されたのが始まりとされている。この時間を本の行数におおまかに換算すると7行か8行程度になり、メディアや映画などさまざまな場所でネガティブな文脈で言及・引用されるうちに、もともと「1日につき」だったものがなぜか「1年につき」と理解されるようになってしまったらしい[★2]。
要はたんなる誤解から生まれた言説なのだが、それが再検討されないくらいには「タイ人は本を読まない」という感覚が根付いていたとも考えられる。たしかに、仮にこれが「1日」3分程度の読書量だとしても、決して多いとは言えないだろう[★3]。
もちろん、読書を推進するキャンペーンも数多く存在してきた。もっとも有名なものだと、上記統計の少し前の一九九八年、作家のウィッタヤーコーン・チアンクーン(วิิทยากร เชีียงกูล)らの研究チームが作成した「タイ人が読むべき良書100冊 หนัังสืือดี 100 เล่มทีคนัไทยควิรอ่านั」という文芸作品のリストがある。
このリスト作成は、タイナショナリズムの父ともいえるラーマ6世が20世紀初頭に創設した「文芸倶楽部 วิรรณคดีีสืโมสืร」による「良書」の選定が範とされている。ウィッタヤーコーンによる前文ではさらに、1997年のアジア通貨危機に端を発する経済的・社会的混乱に立ち向かうべく「タイ人の先人たち」の知を学ぶことが肝要であると主張されていて、多分にナショナリスティックな企図で作成されたものであることがわかる[★4]。また、1998年に作成されたにもかかわらず、選出対象となった作品の発表年がなぜか1976年以前に限定されている点も不自然だ。より現代に近い、時の政治状況に照らしセンシティブになりうるテーマの作品を切り離そうとしているのではと邪推できてしまう[★5]。
もう少し新しいものだと、赤服と黄服の政治的対立のさなかに首相に就任した、王党派民主党のアピシット・ウェーチャーチーワ(อภิิสิิทธิ์์ เวชชาชีีวะ)政権が「国家的課題」として発表した「読書の10年 ทศวรรษแห่ง การอ่าน」と呼ばれる政策がある。2009年から2018年までの目標として、92%程度とされていた15歳以上の識字率を95%まで引き上げることと、読書量を年間5冊から10冊まで引き上げることなどが設定された。また前国王ラーマ9世の娘で、文芸に造詣が深いといわれるシリントーン王女の誕生日である4月2日を「読書を愛する日」にするという決定もなされた[★6]。
とはいえ、タイの常だが、この国家的戦略が具体的にどのような結果を導いたのか、じゅうぶんなデータも研究も存在しない。2013年にはバンコクがユネスコの「本の首都World Book Capital」に選ばれていくつかイベントもおこなわれたので、なんとなく盛り上がっている空気は出ていたようだが(ぼくもちょうどバンコクに住んでいた)、それ以外になにか目立った効果があったのかどうかは疑問だ[★7]。この10年間だけでも、政権は王党派民主党からタックシン派の貢献党に移ったのち、さらにクーデターを経て国民国家の力党による軍事政権へと極が大きく変わってしまっている。こうした政策ベースの支援やテコ入れを継続させること自体、なかなかむずかしいのかもしれない。
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さて、そんな謎のキャンペーンとの因果関係はよくわからないにしても、現在のタイのひとたちの読書量はどうなっているのだろうか──。実は、なんとめちゃくちゃ増えているのである。
公営図書館のTK Parkがまさに前述の「読書の10年」の状況を分析した報告書によると、2018年、6歳以上のタイ人が「読む」時間は1日あたり80分[★8]。かなりの増加だ。さらにタイ出版社・書籍販売者協会(PUBAT)とチュラーロンコーン大学心理学部が共同でおこなった2024年の調査によると、12歳以上のタイ人が1日に「読む」時間は93分となり、さらに増加している[★9]。方法も対象も異なるから単純な比較はできないとはいえ、2001年の約3分と比較すれば、17年間で26倍、23年間でなんと31倍。爆増もいいところだ。
日本では去年、文化庁の調査で「1カ月に1冊も本を読まない」と回答した16歳以上のひとの割合が6割を超えたということがニュースになっていた[★10]。読書の「時間」となるとあまりデータが見つけられないのだが、2022年の、小学校から高校までの子どもに絞った調査で、1日あたりの読書時間が15分という数字が出ている[★11]。さきほどのPUBATの調査によると、12歳から19歳の若者の1日平均がおよそ100分ということなので、これだけ見るとかなりの差だ。
理由はわからないが、いつのまにかタイは日本を超える読書大国になっていた──と結論づけるのはもちろん尚早だ。これらのタイでの調査結果にはからくり(というほどのものでもないが)がある。
ぼくもわざとらしい表記をしていたが、先に紹介したタイの調査はどちらも「読む」対象を本に絞っていない。「読むことการอ่าน」全般についておこなった調査なので、電子メディアを通じてなにかを「読む」という行為も結果に含まれている。なんだ、それなら読書量が増えているとは言えないじゃないか、ただSNSの利用時間が増えているんだろう、と思うかもしれない。だがタイの状況を見ていると、一概にそれだけとも言えない気もしてくる。データの有無もかなりまちまちなため印象論になってしまう部分もあるが、「読む」行為全般を取り巻く状況の変化について、以下ですこしだけ見てみよう。
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さきの2018年の調査で、紙の本と電子メディアのどちらを読んでいるか尋ねた問い(複数回答可)の回答は、紙の本が88%、電子メディアが75%となっている。2024年のほうは、紙と電子メディアの合計を100%としたときにそれぞれどの程度読んでいるかという問いになっていて、電子メディアが58%と、紙の本を上回っている[★12]。要は、紙も電子も、どちらも読んでいるわけだ。
そもそもタイは(というか多くの国はそうかもしれないが)、「紙の本」に対するこだわりが薄い。もちろん近年では装丁にも力を入れている書籍は多くあるが、それをクラフトとして大切に集めて保管しておくという感覚はそんなに強くない。かつては、タイ語フォントのややこしさゆえに電子書籍の普及に障壁があるという話も耳にしたが、現在ではずいぶんいろいろなプラットフォームで電子書籍が利用されている[★13]。
また、おもに若者が読むといわれている恋愛、サスペンス、ホラーといったいわゆるエンタメ系の小説は、のちに本として出版されるものもそうでないものも、かなりの数がまずオンラインで連載される。もちろん、定期刊行されていた文芸誌が軍事政権下でなくなるなど、紙の掲載媒体が少ないという問題もある。その一方、いわゆる小説サイトの数自体もかなり多い気がしており、ふだんほとんどそうしたジャンルの作品を読んでいないぼくがパッと思いつくだけでも、10近くはある。
ためしに最大級の小説サイトのひとつ、readAwriteにアクセスしてみる[★14]。「ロマンス小説 นิยายโรมานซ์」のカテゴリーのトップに表示された作品の作家のページを見てみると、これまでにこのサイトで48もの作品を発表していて、総ビュー数は2600万回(!)となっている。けれども調べられる範囲では、この作家の作品が、これまで紙の書籍として出版されたことはなかった。作家のXアカウントもあったが、フォロワーは2000人程度しかいない。ウェブ上の小説だけを見てみても、そこに独自の生態系がありそうな雰囲気である[★15]。
さらに、ウェブメディアも増加している。2010年代のなかばから、広告費がどんどんと減少して、雑誌の閉刊が相次いだのに反比例するように、多くのウェブメディアが登場してきている[★16]。リベラルな論調のニュースを独自取材で掲載するThe Matter、各ジャンルのインタビュー記事に特化しているThe Cloud、特定地域の情報を発信するThe Isaan RecordやThe Motive、広く性にまつわる話題ならばMirrorなど、サイトの種類もかなり細分化している。どれも無料でアクセスできることもあり、日々ちょっとSNSをのぞけば、次々と記事がシェアされてくるという状況だ[★17]。各サイトのフォロワー数をフェイスブックで見てみても、数万から数百万と、それなりに多く安定している。
こう見てみると、たんにSNSを利用する時間が増えているというような話ではなく、コンテンツ自体が多様化しているゆえに読む時間も増えているのではないか、という気がしてくる。
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かたや紙の本の話となると、書店にも触れておくべきだろう。この連載でもたびたび取り上げているが、特に2010年以降、タイ全土で独立系書店(ร้านหนังสืออิสระ)の存在感が増している[★18]。もちろん、非チェーンストアという意味においての独立系書店、つまりいわゆる町の書店は以前から存在している。けれどもそうした書店も、チェーンの書店も、その数自体は減り続けている[★19]。特にこの数年ではECサイトでの書籍購入も一般的になってきており、たんに本を買うための場所としての書店の意義は薄れてきていると言ってもいいだろう。
だが一方で、地域における(知的な)交流の場としての独立系書店がメディアやSNSでピックアップされる機会は増え続けている印象だ。イベントがある、作家に会える、ライブが聴ける、コーヒーが飲めるなど、体験のための場として、書店が利用されるようになっているのだろう。
そのうえで「購入」という点でいうと、もっと大きな場が存在する。ブックフェアだ。タイでブックフェアというと、基本的には、毎年3月末から4月にかけて開催されるナショナルブックフェア(งานสัปดาห์หนังสือ แห่งชาติ)と、10月に開催されるブックエクスポ(งานมหกรรมหนังสือระดับชาติ)のふたつを指す。大小の版元がブースを出展して、一般の読者がやってくる。作家や編集者がトークなどをおこなう。シンプルといえばシンプルなイベントだ。
だがその規模は拡大を続けている。最新の2024年10月のブックエクスポは、11日間の開催で来場者数が140万人、総売上が4億3800万バーツ(約20億円)と、過去最高を記録した[★20]。来場者の69%が12歳から35歳とのことだ。コミケの来場者が1日十数万人程度なので、その規模の書籍販売イベントが2週間近く開催されていると想像してもらうといいかもしれない。もちろん本のジャンルはあらゆる分野にわたる。
こうした大きなブックフェアのなかで特に盛り上がりを見せているのが、BLやGLドラマの原作小説などを販売するブースだ。タイのBL・GL小説の市場規模は現在20億バーツ(90億円)程度ともいわれており、2016年には1億バーツ(4億円)程度だったところから急激に成長している[★21]。ブックフェアではドラマ化した作品に出演する俳優たちが訪れて、ファンたちとのミート&グリートがおこなわれたりもしている。これもやはり「体験」込みで本を買っていると言っていいだろう。
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と、ここまでいくつかの事例をつらつらと書いてきた。現在のタイを指すのに「読書大国」という言葉を使うのは言い過ぎになるかもしれない[★22]。ただ、すくなくともひと昔まえと比べれば、はるかに多く「読む」社会になっているのは事実だろう。この数年のソフトパワー関連の政策でも、書籍産業の支援が謳われている(現にぼくのところにも、翻訳の助成金の話が複数来ている)。
ただここでまた、いつもの連載のような政治や社会と文学の関係という話題に無理やり引きつけて考えてみれば、この15年間くらいの不安定な政治的状況というのも、タイのひとたちの読む行為の動機づけとなっているのではないかと思う。
以下はあくまで、個人的な体験やそこから得た印象の域を出ない。たとえば2010年代に新興の独立系書店が現れはじめたのには、2010年の赤服デモ隊の強制排除や2014年のクーデターなど、社会において大きな「問い」が必要とされたこととも関係しているように感じられる[★23]。クーデター後の軍事政権下で、積極的に軍政を批判して、ときに王政の問題に踏み込み、民主化の必要性を訴えていたのは、新聞などのオールドメディアよりも、新興のウェブメディアのほうがはるかに多かった[★24]。さきほど紹介した小説サイトのreadAwriteに、反王室とみなされた左派大学生が虐殺された1976年10月6日事件から45年の節目に、12人の若手作家の書き下ろし短篇が掲載されたのも記憶に新しい[★25]。2022年のブックフェアでは、民主化運動のなかで大きな話題となった研究書の著者のサインを求めて、若者が列をなしたこともあった[★26]。もちろんすべてを政治と絡めて解釈するつもりは毛頭ないが、人々が知的な探究心や好奇心を働かせざるをえない状況がずっと続いてきたのが、21世紀のタイ社会でもあると思う。
本稿で紹介したふたつの「読む」行為に関する調査で、「読む」理由について尋ねている項目がある。2018年のTK Parkのものだと、いちばん多いのが「知識を増やすため」、そこから「ニュースや情報を知るため」「興味があって知りたいから」と続く。2024年のPUBATのほうも、すべての年代で「娯楽・休養のため」と「興味があることを調べるため/成長したいため」が同程度に高い[★27]。
興味があるから、知りたいから「読む」。われわれも、紙だいや電子だとか、書店だいやオンラインだとか、そういうレベルの対立にばかり気を取られているのではなく(もちろんこうした議論が不要だと思っているわけではないが)、もっと原初的な欲求を見つめ直すべきなのかもしれない。そうすればすくなくとも「東南アジアに文学があるの?」なんていう疑問を口にすることはなくなるはずだ。
(編集部より)
福冨渉さんのシラスチャンネル「福冨渉のタイでワッタナタムしてください」がこの春に開設されました。ぜひご覧ください。
★1 探してみたところ、まだページが残存していた。「東南アジアに文学があるの?と聞いた上司」、「発言小町」、2011年。URL=https://komachi.yomiuri. co.jp/topics/id/439496/
★2 “Road to Reading Society ทางสร้างสังคมการอ่าน.” สารคดี, ปีที่ 29 ฉบับที่ 346, 2013, น. 88─89.
★3 肌感覚だが、2010年くらいまでは、ぼくが現地で出会ったひとたちにタイの「ワンナカム/วรรณกรรม/文学」に興味があると伝えても、この単語自体を知らないひともたくさんいた。そういうときは、代わりに「ニヤーイ/นิยาย/(本になった)おはなし・小説」という語を使うと通じた。もちろんぼくが会うひとのタイプが時期によって変わっていったという側面もあるだろう。
★4 ภิญญพันธุ์ พจนะลาวัณย์. “‘หนังสือดี 100 เล่มที่คนไทย ควรอ่าน’: ชาตินิยมในวรรณกรรมและทัศนะของปัญญาชนหลังวิกฤตต้มยำกุ้ง.” The 101. World. 29 Jan. 2025. URL=https://www.the 101.world/100-must-read-thai-books/; ธนาพล ลิ่มอภิชาต และ วริศา กิตติคุณเสรี. “ประวัติศาสตร์และการเมืองของวาทกรรม ‘หนังสือดี’.” อ่าน, ปีที่ 1 ฉบับที่ 3, 2008, น. 39─40.
★5 ただこのリストの知名度自体はかなり高く、学校教育の場や、出版における販促においても利用されていた。ぼくはかつて、バンコクのギャラリーで出会った北欧からの移住者に「タイの文学はこのリストにある100冊を読めば終わりなんだ、おまえの仕事は楽勝だな」と言われて、ケンカになりそうになったことがある。
★6 寡聞ながら、この記念日の存在は本稿を書くなかで初めて知った。แม้นมาส ชวลิต และ สุจิตร สุวภาพ. “ทศวรรษแห่งการอ่านของประเทศ: 2 เมษายน...วันรักการอ่าน.” วารสารห้องสมุด, ปีที่ 53 ฉบับที่ 2 (ฉบับพิเศษ), 2010, น. 9─10.
★7 後述する公営図書館TK Parkが作成した報告書に指摘がある。この公営図書館は首相府の傘下で運営されており、当時とは政権が異なるとはいえ、かなり踏み込んだ問題提起をしている。สำนักงานอุทยานการเรียนรู้. เข็ม: สำรวจปรากฎการณ์และความเปลี่ยนแปลง 10 ปี ทศวรรษ แห่งการอ่าน พ.ศ. 2552─2561, สำนักงานอุทยานการเรียนรู้, 2019, น. 30.
★8 เข็ม, น. 10.
★9 สมาคมผู้จัดพิมพ์และผู้จําหน่ายหนังสือแห่งประเทศไทย พฤติกรรมการอ่านและการซื้อหนังสือของคนไทย, สมาคมผู้จัดพิมพ์ และผู้จําหน่ายหนังสือแห่งประเทศไทย, 2024, น. 2.
★10 「令和5年度「国語に関する世論調査」の結果について」、「文化庁」、2024年。URL=https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodo happyo/ 94111701.html
★11 「平日の読書時間 半数の子どもはゼロ分」、「朝日学生新聞社」、2023年。URL=https://www.asahi.com/asagakuplus/article/asasho/15044626
★12 เข็ม, น. 11. ; รายงานการศึกษาพฤติกรรมการอ่านและ การซื้อหนังสือของคนไทย, น. 31.
★13 個人的な経験として、コロナ禍下でタイへの渡航ができない時期でも、流行のBL小説をすぐにEPUBで購入して、自動読み上げ機能でオーディオブックとして読むことができたので、かなり助かっていた。そもそもタイ語は読みのルールが比較的に厳密な表音文字を使用しているので、自動読み上げの精度はかなり高い。
★14 URL=https://www.readawrite.com/
★15 もうひとつの巨大小説サイトで、ファンタジー作品の多いfictionlogものぞいてみた。「タイの小説 นิยายไทย」のランキングトップの作品は、1作品が全2097話あり、そのビュー数は390万と、大きな数字を叩き出していた。こちらの作家の作品も、どれも紙書籍としては出版されていないようだ。URL= https://fictionlog.co/
★16 เข็ม, น. 42─51.
★17 それぞれのサイトがどうマネタイズしているのかは今後もっと調べてみたいと思っているが、たんに広告収入に頼っているだけではなく、大手の出版社や新聞社が運営していたり、国際的な助成を受けていたりと、いろいろなパターンがあるようだ。
★18 福冨渉「タイ現代文学ノート#2 バンコクの独立系書店」、『ゲンロン4』、2016年、318─324頁。
★19 たとえばタイ最大の書店チェーンであるSE-EDは、2012年に438あった支店数が、2022年には261まで減少している。大手出版社アマリンが経営する書店ナーイ・インは、2012年が200店舗で、2022年が125店舗。かたやチェーンではない独立系の書店は2013年に全土で250店舗ほどあったものが、2022年には170店舗ほどになっているというデータがある。 สิ่งเกินจำเป็น!.” กรุงเทพธุรกิจ. 28 Mar. 2022. URL=https://www. bangkokbiznews.com/business/995997; “#save ร้านหนังสืออิสระ ปลุกวัฒนธรรมการอ่าน.” ผู้จัดการออนไลน์. 11 Mar. 2023. URL=https://mgronline.com/daily/detail/ 9660000022409; เข็ม, น. 67.
★20 29 ปี.” ประชาชาติธุรกิจ. 14 Oct. 2024. URL=https: // www.prachachat.net/d-life/news-1678469
★21 “นิยายวาย-ยูริ โต 2 พันล้าน ต่อยอดสินค้า-ลิขสิทธิ์ ถูกใจ จีน เกาหลี ญี่ปุ่น.” ประชาชาติธุรกิจ. 20 Sep. 2024. URL= https://www.prachachat.net/d-life/news-1656661
★22 実際、タイの書籍市場全体の規模は現在170億バーツ(750億円)程度とされていて、10年前の2014年の290億バーツと比べるとだいぶ下がってしまっている。ただそれでも、コロナ禍で底を打って以降は毎年の成長が続いている。“ส่องทิศทางวงการหนังสือกระเตื้อง 1.7 หมื่นล้าน - ‘อีบุ๊ก’ มาแรง สูงวัย นิยม.” Thai PBS. 17 Oct. 2024. URL=https://www.thaipbs.or.th/news/content/345379
★23 赤服デモ隊の強制排除については、『ゲンロン12』の拙稿も参照のこと。福冨渉「死の記憶と忘却──タイ現代文学ノート特別篇」、『ゲンロン12』、2021年、282─297頁。
★24 先述のThe Matterとその経営元である出版社のSalmon.は、2020年から2021年の民主化運動を記録したルポルタージュを出版している。กรุณพร เชษฐพยัคฆ์ และ อัษฎาวุธ บุญฤทธิ์ศักดิ์. #Whats
Hap p eningInThailand และแล้วความหวังก็ปรากฏ, Salmon/The Matter, 2021.
★25 “สมมติว่า 5 ตุลาฯ.” readAwrite. 2021. URL= https: // www.readawrite.com/a/11b912a50d6ab0d798cbe8687387bdc9
★26 歴史学者ナッタポン・チャイチンの博士論文を書籍化した『将軍、封建制、ハクトウワシ ขุนศึก ศักดินา และพญาอินทรี』。URL=https://www.facebook.com/ photo?fbid=4824275514288136
★27 เข็ม, น. 11. ; รายงานการศึกษาพฤติกรรมการอ่านและ การซื้อหนังสือของคนไทย, น. 28─29.


福冨渉