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      ゲンロンβ83|編集長=東浩紀

      2023年9月5日[火]発行

      • 1|東浩紀 終刊にあたって #37
        今号で終刊を迎える本誌『ゲンロンβ』。編集長の東浩紀による終刊のことばです。
      • 2|小松理虔 当事者から共事者へ 最終回 当事者から共事者へ #37
        4年ぶりに福島第一原子力発電所を訪れた小松さん。同地で進む「観光地化」に驚きながら、壊れた原発の風景からある希望を見出します。連載の最終回で「共事者」はどのような像を結んだのでしょうか。
      • 3|プラープダー・ユン 福冨渉訳 ベースメント・ムーン 最終回 #37
        ヤーニンの物語が唐突に中断したのち、作家プラープダーは2016年の廃墟の空き部屋で目を覚ます。「ベースメント・ムーン」とはなんだったのか。連載小説がついに完結です。
      • 4|河野至恩 記憶とバーチャルのベルリン 最終回 「移動」の文学について考え続けること──多和田葉子『雪の練習生』を読む #37
        コロナ禍下の2021年に始まった連載の最終回。移動が不要不急とされる時代に、海外文学や翻訳、異言語はなにを問いかけるのか。日本文学を学ぶ留学生にも人気の多和田葉子をあらためて読み解きます。
      • 5|石田英敬 飛び魚と毒薬 第3回 68年5月3日 #37
        16歳のベルナール・スティグレールが書店の店先で本を物色していたその日、五月革命が起こる。なぜ学生たちはパリ大学ソルボンヌ校舎の中庭に集結していたのか? その中心人物だったダニエル・コーン゠ベンディットとは?
      • 6|山森みか イスラエルの日常、ときどき非日常 第9回 「二級市民」という立場 #37
        ユダヤ人のなかにもいくつかの宗教的立場があり、ユダヤ人にかぎらずさまざまな人種や出自をもつひとびとが暮らす現代イスラエル。最高裁判所の力を弱めようとする現政権がもちいた「二級市民」という言葉を読み解きます。
      • 7|田中功起 日付のあるノート、もしくは日記のようなもの 第16回 見ないこと、見損なうこと、あるいはインフラストラクチュア──3月1日から9月2日 #37
        10月発売予定の『ゲンロン15』から一部を先行公開。ドクメンタ15を批判し、岡山芸術交流を評価することは妥当なのか? 現代アートにおける「制度批判」が、たんなる批判に終わることなく、ほんとうに制度を変える道筋を探します。
      • 8|東浩紀 『観光客の哲学』中国語簡体字版四冊刊行に寄せて #37
        かつて日本には「哲学すること」に2つの道があった──中国語簡体字で同時期に刊行される著書に付される共通の序文。新しい読者にむけて、補助線を引きます。

      表紙写真:批評誌『ゲンロン』の姉妹誌として2016年に創刊された『ゲンロンβ』。終刊号の表紙には、『ゲンロンβ』全83号の書影があしらわれている。本誌の連載からは、小松理虔『新復興論』、大山顕『新写真論』、渡邉大輔『新映画論』、星野博美『世界は五反田から始まった』の4つの書籍が生まれた。また今年から来年にかけては、本田晃子『革命と住宅』、吉田雅史『アンビバレント・ヒップホップ』が刊行予定である。これからもゲンロンの出版事業に期待されたい。

      ゲンロンβ 既刊一覧

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