友の会の会費はこのように使われています

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 ゲンロン友の会は、2024年10月から第15期となります。この14年、ゲンロンは友の会とともに歩んできました。友の会のみなさんの支援が、ゲンロンの継続と挑戦を支えています。東京が活動の中心になりがちな友の会ですが、今期からは全国の会員との連携を深めてまいります。

 友の会の上級会員(プレミアム・アンリミテッド)、あるいは法人会員になっていただくと、支援者としてお名前を弊社出版物やウェブサイト、カフェ店内などに掲示することもできます。

 ゲンロンの新しい挑戦のために、ぜひ入会・ご支援をよろしくお願いいたします。(東浩紀)

 ゲンロンの活動を支えるのが友の会です。みなさまからいただいた会費は、ゲンロンの運営の基盤となっています。入会いただくと、雑誌『ゲンロン』およびゲンロンが発行する書籍のうちお好きなものを一冊お送りします。ほかにもさまざまな優待をご利用いただくことができます。

 ゲンロンは私企業で、公的な支援を受けていません。それでも、人文知の先端をわかりやすく発信し、知的好奇心に溢れるひとの交流の場をつくるために、採算度外視でさまざまな事業を展開してきました。友の会の会員とは、そのような公共的な活動を支援してくださるかたがたなのです。みなさまのコミットメントに深く感謝いたします。

 ここで、友の会の会費がどう使われているか、その一端をご紹介します。(株式会社ゲンロン代表・上田洋子)

出版活動

 ゲンロンは、これまで40冊を超える書籍と雑誌を発行してきました。 流行を追わない、いっけんニッチなテーマがのちに評価されることもあれば、アクチュアルな問題に多彩な角度から迫ることもあります。第14期に刊行した『ゲンロン16』と『ゲンロン17』では、それぞれウクライナと旧ユーゴ圏への取材旅行を行いました。論考だけではなく、現地の知識人、アーティスト、市民らへのインタビューも掲載しています。

ウクライナ、キーウの独立広場 撮影=東浩紀

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、サラエヴォ市内の無数の銃痕が残る建物 撮影=東浩紀

 ゲンロンは丁寧な編集に定評があります。編集作業のなかで、校閲や校正にも時間と予算を割いています。少部数の書籍でそれができるのは、友の会の会費による補填があるからです。それらの書籍はこれまで毎日出版文化賞、梓会出版文化賞、大佛次郎賞など複数の賞をいただき、出版業界で高い評価を得ています。第15期でも、上記の海外取材の成果を取り入れた東浩紀の新刊『平和について(仮)』をはじめ、新刊の刊行を予定しています。

 新刊を刊行するだけでなく、ゲンロンでは書籍の寄贈も行っています。2022年には、品川区の戦争の歴史を題材とする『世界は五反田から始まった』を品川区内の小学校や中学校に寄付させていただきました。そのような活動ができるのも、みなさまの支援のおかげです。

 

人文系ニュースサイト「人文ウォッチ」と若手の育成

 第15期の開始日にあたる2024年10月1日に、人文系ニュースサイト「人文ウォッチ」を公開しました。各地で開催される人文系イベントや新刊情報、話題の人文関連ニュースをピックアップしており、早くも高い評価を受けています。「人文ウォッチ」は広告を掲載していません。この活動も友の会の会費で運営されています。

 このサービスを担っているのは、まだ20代の若いスタッフです。ゲンロンには、大学生や大学院生のスタッフが多数在籍し、彼らが自主的に企画して運営するプロジェクトを複数進めています。

 「人文ウォッチ」のほか、シラスの配信番組シリーズに「学問のミライ」があります。このシリーズでは、若手研究者をゲンロンカフェに招き、研究の内容と今後の展望を語ってもらっています。若手研究者が研究を社会にプレゼンする機会を設けるとともに、聞き手を務める同世代のスタッフにとっては、観客と人文知のあいだを橋渡しする術を学ぶ場ともなっています。このような次世代への投資ができるのは、友の会の支援あってこそです。

 

公共性を考慮した無料配信

 ゲンロンカフェのイベントは有料で配信しています。

 けれども、本年より、大きな社会的な事件について公共性が高いと思われる番組は、第一部を無料で配信するようにいたしました。思考や対話のきっかけを広げたいという思いからです。こうした取り組みにも、友の会の会費が活かされています。

 

宇佐美典也×西田亮介×東浩紀 【選挙特番】総選挙は本当にこれでよかったのか!?【第1部全編無料!】

宇佐美典也×西田亮介×東浩紀 都知事選は本当にこれでよかったのか!?──無料公開第1部

三牧聖子×西田亮介×東浩紀「2024年、世界は変わるのか【深掘りゲンロン#1】──特別無料配信」

【第1部】山本理顕×藤本壮介 モデレーター=五十嵐太郎、東浩紀 万博と建築──なにをなすべきか

 

会員交流の新企画「ゲンロンぶらり友の会

 第15期からは、新しい企画「ゲンロンぶらり友の会」(通称:ぶら友)がスタートします。

 これは東浩紀が日本全国をめぐり、現地の会員と交流するものです。その模様は「ゲンロン完全中継チャンネル」にて特別番組として配信されます。全国に広がる友の会の環を、オンラインだけでなく、リアルに身近に感じられるようにしたいと考えています。47都道府県すべて訪ねることが目標です。

 「ぜひともわが街に!」という会員のかた、こちらのフォームよりご応募ください。みなさまと直接お会いできるのを楽しみにしています。

 

設備・開発投資

 弊社の事業は、出版とイベント運営だけではありません。つねに新しい挑戦を行っています。

 

 2020年には配信プラットフォーム「シラス」を開設しました。シラスはいまでは多くのユーザーに愛され、友の会のみなさまの交流の場にもなっています。しかし、ゼロからの動画配信プラットフォームの開発は、文系出身者が中心となって創業したゲンロンにとってはたいへん大きなチャレンジでした。

 シラスは今後も、字幕や翻訳機能の搭載など、サービスを拡充していく予定です。また2024年には、シラスと連動した新しいAI司書サービス「クジラ」をリリースしました。こちらも開発を続けています。友の会の会費はそのような挑戦にも活かされています。

 ゲンロンは、新しい情報環境にキャッチアップしつつ、人文的な教養を分かち合う場をアップデートすることをミッションとしています。変化が早く、投資規模も大きいテック産業の動きについていくことは容易ではありません。ゲンロンが小規模ながらそれができているのは、友の会のみなさまの支援があるからです。

 ゲンロンの取り組みや挑戦を継続させていくためには、みなさまの応援が不可欠です。どうぞよろしくお願いいたします。

 会員募集のほかにご寄付も受け付けています。みなさまの暖かいご支援にあらためて深く感謝いたします。

ゲンロン友の会

ゲンロン友の会の詳細はこちらから! https://webgenron.com/tmnk
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