AI美女にエロはあるか|山内萌

2025年5月10日刊行『ゲンロン18』
★1 安田理央・稀見理都編『アダルトメディア年鑑2024──AIと規制に揺れる性の大変動レポート』、イースト・プレス、2023年。
★2 安田理央は無修正動画が流出している女優の性器を、AIによってモザイク破壊された性器と比較し、その正確さを検証している。前掲書、222頁。
★3 「『23歳、巫女で処女』という設定で、どう見てもAI画像なのに『可愛いよ♡』みたいなリプライが何百件も並んでる→人間は愚か…」URL=https://posfie.com/@petaritape/p/Uw3DdZ9
★4 「AI作品の取り扱い一時停止について」URL=https://spotlight.fantia.jp/news/ai_policy-2
★5 「〝AIコスプレイヤー〟というAI作画をリアル路線にし写真みたいな出力の画像に対する諸々の反応」URL=https://posfie.com/@ZE6GANE /p/9Veol4I
★6 性的なコンテンツを発信しているアマチュアのネットユーザーを指す呼称は定まっていない。「裏垢女子」という呼称も実は多義的で、収益目的だけでなく、収益を求めずただ異性との(性的な関係を含んだ)出会いを目的とするアカウントも含まれる。しかし取材をする中で、コロナ禍以降、裏垢女子といえば性的な写真や動画をファンティアなどのサイトで販売しているアカウントを指すという認識が広まっていることがわかった。裏垢女子の大きな特徴は、顔出しをしていないこと、していたとしても目元だけなど顔の一部にとどめていることである。ここでは、活動内容としてはほとんど裏垢女子と変わらないが顔を完全に出して活動している女性を、本人たちが自称として使うことが多い「活動者」と呼び、区別している。
★7 ファンティアはクリエイター登録をするユーザー全員に対して、身分証の提出を課すことで本人確認を行っている。また、投稿作品もすべて運営事務局が目視で確認しており、ガイドラインに違反する作品は公開停止にしている。しかし悪知恵を働かせれば、抜け穴を見つけることも不可能ではないだろう。性風俗産業で儲けようとする業者とそれを取り締まる者のいたちごっこは、古くから繰り返されている。「ファンティア[Fantia]の安全への取り組みについて」URL=https://spotlight.fantia.jp/tips/safety


山内萌
92年生。慶應義塾大学院後期博士課程修了。博士(学術)。著作に「『性教育』としてのティーン雑誌──1980年代の『ポップティーン』における性特集の分析」(『メディア研究』104号)、「性的自撮りにみる「見せる主体」としての女性」(『現代風俗学研究』20号)、『メディアと若者文化』(共著、新泉社)。