『ゲンロンα』2020年11月の人気記事
みなさんこんにちは。『ゲンロンα』では、2020年10月より、1ヶ月ごとの人気記事をご紹介しています。
本日は2020年11月の人気記事をご紹介します。昨年11月といえば、10月中旬の「シラス」オープンに『ゲンロン11』の刊行記念イベントラッシュが続いた時期です。前回と同じく無料記事の上位5つと有料記事の上位5つをピックアップしましたので、まずは無料記事からどうぞ。
- 哲学にも「気合」入れていかなあかんわ 國分功一郎×東浩紀「哲学にとって愚かさとはなにか──原子力と中動態をめぐって」イベントレポート(関西弁ver.)
- 責任と欲望を生み出すために 國分功一郎×東浩紀「哲学にとって愚かさとはなにか──原子力と中動態をめぐって」イベントレポート(標準語ver.)
- ゲンロンカフェ選書リスト
- ゲンロンカフェ選書コメント(1)|小松理虔
- 『ゲンロンα』2020年4月〜9月 人気記事TOP10
2020年11月の無料記事の第1位と第2位はいずれも、『ゲンロン11』の巻頭論文「悪の愚かさについて2」をめぐって行われた國分功一郎さんと東浩紀による対談のレポート記事でした。同イベントについては、標準語ver.と関西弁ver.のふたつのレポートが公開されましたが、どちらかというと「こぼれ話」的な内容を扱った関西弁ver.のほうがよく読まれるという結果に。
國分功一郎さんと東浩紀による対談のレポート記事、標準語ver.のほうでは「悪の愚かさについて2」の内容にがっつり踏み込んだ哲学的な議論の内容が取り上げられています。國分さんは東からの批判にどのように応答したのか、「中動態」と「責任」の関係とは。ぜひお読みください。
2020年8月に内装をリニューアルしたゲンロンカフェ。それにあわせて常連登壇者のみなさんに選んでいただいた選書のリストが第3位にランクインしました。小松理虔さん、さやわかさん、山本貴光さん×吉川博満さん、上田洋子、東浩紀のオススメ本をぜひチェックしてみてください。
ゲンロンカフェ選書リストには、各選者からの選書コメントも順次追加されていく予定です。その第1弾として公開された小松理虔さんによる選書コメントが第4位にランクイン。2021年3月刊行『新復興論 増補版』の付録としてもお楽しみいただけます。
第5位にランクインしたのは、『ゲンロンα』2020年4月〜9月の人気記事ランキング。人気記事ランキングが人気記事ランキングにランクインするという少々ややこしい事態ではありますが、2020年4月にオープンした『ゲンロンα』の最初の半年を振り返ることができる貴重な記録を、この機会にぜひ。
続いて、2020年11月の有料記事トップ5を見てみましょう!
- 観光客の哲学の余白に(23) 無料という病、あるいはシラスと柄谷行人について|東浩紀
- あなたに北海道を愛しているとは言わせない(前篇) 『羊をめぐる冒険』をめぐる冒険|春木晶子
- 日付のあるノート、もしくは日記のようなもの(3) 高熱とケアのロジック──8月28日から10月2日|田中功起
- 愛について──符合の現代文化論(6) 符合のショートサーキット(1)|さやわか
- 当事者から共事者へ(8) 再生と復興のナラティブ|小松理虔
11月の有料記事第1位は、有料配信プラットフォーム「シラス」のオープンにあわせて公開されたこちらの記事でした。かつてクリス・アンダーソンが主張し、現在のネットを支配しているかに見える「無料=フリー」の思想は、ほんとうに人々を自由にしているのか。マルクスから柄谷行人の議論までも視野に収めた東浩紀渾身の論考です。
第2~4位には、『ゲンロンβ54』に同時掲載された記事が続けてランクイン。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉第4期最優秀賞受賞作に大幅な加筆・修正を加えた春木昌子さんのこちらの論考では、「北海道」という観点から村上春樹が読み解かれていきます。ぜひ前後篇あわせてお読みください。
田中さんの日記連載からは、育児生活のなかでのPCR検査体験をつづった回がランクイン。田中さんが紹介するアネマリー・モル『ケアのロジック』の内容は上記の國分功一郎さん登壇イベントの内容とも響き合い、その点でも興味深かったです。
第4位にランクインしたさやわかさんの論考では、宮台真司『制服少女たちの選択』の再検討をとおして現代社会にあふれる「キャラクター化の暴力」が考察されます。キャラクター化の暴力を「電気回路の短絡(ショートサーキット)」の比喩で捉えることで見えてくるものとは。
第5位には、『ゲンロンβ55』より小松理虔さんの連載がランクイン。福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」を訪れた小松さんはなにを感じたのか。ぜひお読みください。
いかがでしたか? ゲンロンの歩みをすこしずつ振り返ることができるこの紹介企画、次回もお楽しみに!(編集部)