ゲンロン友の会第13期総会「人間復活」完全レポート

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webゲンロン 2023年4月4日配信

 2023年3月18日から翌朝にかけて開催された、ゲンロン友の会第13期総会「人間復活」。会場の広さ、参加者数ともに歴代最大規模で行われた今回は、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じました。東浩紀をして「いままでの全ての総会を超える総会」★1と言わしめた第13期総会。その全貌をレポートします。    総会のアーカイブ動画のチケットはゲンロンショップで4月30日(日)まで販売中です。友の会入会と配信チケットが一緒になったお得なセットもありますので、この機会にぜひご検討ください。

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   第13期総会は第1部(12:00〜20:00)と第2部(21:30〜29:00)に分けて行われました。会場は、第1部は五反田のランドマーク・TOCビルの13階と、ゲンロンカフェ。第2部はゲンロンカフェと、イルモンドビル(ゲンロン旧オフィス)。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

第1部(12:00〜20:00)@TOCビル/ゲンロンカフェ

【TOCビル メインステージ】 ・古市憲寿×東浩紀「人間はほんとうに要らなくなるの?──民主主義とネットの行方」

 メインステージひとつめのトークショーには、古市憲寿さんと東浩紀が登壇。古市さんのサービス精神あふれるトークが炸裂し、メインテーマ「人間復活」にふさわしいステージになりました。  冒頭で話題になったのは、ふたりは果たして「人間が好き」なのかどうか。双方がそんなことはないと主張しますが、話しているうちにさまざまな「人間大好きエピソード」が飛び出します。古市さんによるパーティーに参加する際の秘訣とは? そして東は人間のクリエイティビティをどのように捉えている? 満席で立ち見の方もいらっしゃる中、熱気あふれる空間でトークは続きます。  質疑応答も充実した内容。古市さんはなぜ書き手をやっているのか。東は100年後の社会をどう予想するのか。オフレコの話も多数飛び出し、ときに会場は爆笑に包まれました。ぜひ実際にご覧ください。

  ・小川さやか×山崎孝明×與那覇潤「人間について学問が語れること──人類学と精神分析と歴史学の交差点」

 ふたつめは人類学、精神分析、歴史学という異なる専門をもった3人による座談会でした。冒頭で話題になったのは、山崎さんによる著作『精神分析の歩き方』。大学に所属する研究者ではなく、精神療法をおこなう臨床家として生きてきた山崎さんは、調子を崩してしまっている患者と日々会い続けるなかで日本の社会を捉えているといいます。  一方で小川さんがフィールドとしてきたタンザニアの社会は日本とは大きく異なります。なにかあったときにリセットしてやり直すことができるというその仕組みはまるで異世界転生のようです。その違いの本質はどこにあるのか。山崎さんの臨床家としての知見と與那覇さんによる歴史学の枠組みを用いた読み解きは必見です。  中盤では、精神分析における主観的な「心的現実」と現実の「加害/被害」が、歴史学における「物語」と「ファクト/エビデンス」に対比されて議論される場面も。それぞれの専門知が自由に交錯する、豊かな時間になりました。  終盤に與那覇さんが「正しさ」と「面白さ」を対置させる視点を提示し、議論はおおいに盛り上がります。文化、歴史、心など抽象的なものを扱うにあたって「面白さ」はどのように重要なのか。どうすれば実現するのか。 ぜひ動画本編をご覧ください!

 

【TOCビル サブステージ】 ・石戸諭×小松理虔「ほんとうのこと 2023:人間と出会う」

 サブステージひとつめのトークショーは、総会では恒例のジャーナリスト石戸諭さん、福島県在住のローカルアクティヴィスト小松理虔さんによる対談「ほんとうのこと」。震災から12年目をむかえたいま、世の中の関心はどこまで東北に注がれているのでしょうか。  石戸さんは「震災に関して東京のメディアの関心は著しく落ちたが、まだ処理水の問題が残っている」といいます。  それに対して小松さんは「環境に問題ないからといって処理水を処分したら、賠償金によって漁業の自立が遅れる。数年後にどれくらいの漁業者が生き残ることができるだろうか」と、地元産業の継続について長期的な視点から回答します。「処理水を流すか流さないかについての議論がローカル化してしまい、世の中がこのことに無関心になっている」とも付け加える小松さん。これに対して石戸さんは、処理水問題について政府は説明責任を果たすべきだとリベラルサイドからの声もあるが、「説明する」とは何なのか、と疑問を投げかけます。説明責任の落とし所を見つけないと、結論が出ないまま東北はますます摩耗するばかりだからです。  何をしたら説明責任を果たしたことになるのか、政府にはハッキリと示してほしいとお二人は話します。  時にシリアスに東北の問題を語りつつ、時にお互いに持ち寄ったお酒で乾杯されるなど、トークは大変盛り上がりました。

  ・玉田玉山による特別講談

 昨年の総会で『ゲンロン戦記』の「棚問題」演目が大好評だった玉田玉山さんの講談。今年も新作を披露していただきました。まずはじめに、シラスのチャンネル「大シラス演芸場! 玉山・玉木の修羅場☆ラ☆バンバ☆出世魚」を共同運営されている玉木青さんも壇上にあがり、おふたりのトークから幕は開けました。玉山さんが最初に東浩紀を知ったきっかけとは。  今回の演目は、、「ゲンロン沼とわたし」。 「講談師の玉田玉山が、ゲンロンという沼にはまり込んでいく、そのきっかけはぁ!」 「ゲンロン完全中継チャンネルの動画をクリックしてみますと、、8時間もあるやないか!」 「遂に思想書『ゲンロン』に手を出した玉山、、玉木ぃ、ハイデッガーが出てきたぁ!」  いったいどんな内容の講談だったのでしょうか。前回の演目をご覧いただいていない方もお楽しみいただけます。ぜひ本編をご視聴ください!

 

・司会=小松理虔+上田洋子「ゲンロンオークション2023」

 総会恒例の「ゲンロンオークション」。今年も大いに盛り上がりました。  今回の目玉商品は、当日に上田も着用していた、アーティスト・弓指寛治さんの絵画作品《スイスの山々》をあしらった、世界に2着しかないワンピース。この商品はいったい誰の手に、、!  さらに前回の総会より、リアルタイム視聴に限りシラスのコメント欄からもご入札いただけるようになりました。今回アーカイヴを見て興味の湧いた方は、ぜひ次回の総会でご参加ください。

  ・星野博美×高橋ユキ×上田洋子「五反田、人間、生きる!」

 サブステージふたつめのトークは、戸越にお住まいだったこともあるフリーライター・高橋ユキさんと、同じく戸越銀座ご出身で、第49回大佛次郎賞受賞作『世界は五反田から始まった』の著者・星野博美さんをお招きし、上田洋子とともに五反田についてお話しいただきました。  小さい頃からTOCのバーゲンに遊びにきていたという星野さん。ビル1階に「人間復活」の看板が置かれているのを目にして、胸が熱くなったといいます。  五反田という街の親しみやすさについて、高橋さんと星野さんは意気投合。話題はTOCビルからニューオータニ、そしてサンリオにまで広がり、高橋さんからは海喜館事件の公判についてプレゼンいただいて、まさにTOCで開催するにふさわしいトークショーとなりました。「大五反田圏」をもっと深く知ることができる必見のトークです!

 

【TOCビル コミュニティエリア】  

会場で提供されたゲンロンカフェオリジナルカップケーキ

 コミュニティエリアでは、ゲンロン総会初の試みとなる即売会イベント「ゲンロン・シラス コミュニティマーケット」が開催。ゲンロン友の会会員とシラス配信者の有志の方々による30以上のブースが出展しました。同人誌、音楽CD、ぬいぐるみ、鎚起銅器、紅白饅頭などなど……、各ブースが販売するさまざまな制作物を通して、来場者同士の活気あふれる交流が行われていました。  エリア中央に設置されたミニステージでは、複数の企画が開催。ゲンロンで働く大学院生によるトークショー「院生チームと語ろう」にはじまり、小松理虔さんプロデュースの「ゲンロン日本酒バー」、丸山朝光さんによるバンジョー演奏や、山下Topo洋平さんによるケーナ演奏、さらに清水亮さんによるシラスチャンネル開設を含む重大発表も行われ、多くの来場者がビールや軽食を片手にリラックスして観覧されていました。

 

【ゲンロンカフェ】 ・渾身の記念パネル展&サイン見学会

 大盛況のTOCビルをよそに、第1部のゲンロンカフェでは開業10周年を記念したパネル展サイン見学会が行われました。ゲンロンカフェの10年の歩みを振り返るパネル、および壁に刻まれた無数のサインを、古参スタッフ堀内によるギャラリートークとともにお楽しみいただきました。

  


第2部(21:30〜29:00)@ゲンロンカフェ/イルモンドビル

【イルモンドビル】 ・大山顕/川原伸晃/弓指寛治「シラサーと語ろう」

 ゲンロンカフェでトークショーが行われている一方、ゲンロンの旧オフィス「イルモンドビル」では、特別企画「シラサーと語ろう」がゆるやかに開催されていました。  これはシラサー(シラスのチャンネル開設者)の大山顕さん、川原伸晃さん、弓指寛治さんを、そのシラシー(視聴者)たちが囲む懇親会。普段はイベントを聴いたり、配信を視聴するだけだったのが、直に配信者と話せる貴重な機会となりました。TOCでの第1部の感想を話し合う方々もいて、さながら和やかなオフ会のようでした。こうした静かに話せる場があるのも、ゲンロン総会の醍醐味のひとつです。

 

【ゲンロンカフェ】 ・さやわか×辻田真佐憲×東浩紀+小川さやか+久田将義「雑談はAIにはできない──深夜の人間復活トーク」

 TOCビルで行われた第1部・感動のフィナーレの興奮冷めやらぬ中、第2部は21時半からゲンロンカフェ・イルモンドビルの2会場でスタート。ゲンロンカフェにはこれまでイベントにご登壇いただいたり、スクールの講師を務めていただいたり、といった形でお世話になっているゲストの方にも多数駆けつけていただきました。  東の乾杯のあいさつのあと、しばらく歓談の時間を挟んでから第2部「雑談はAIにはできない──深夜の人間復活トーク」が開始、中継も再開されます。ところが、壇上には辻田真佐憲さん、東浩紀だけでなく第1部にもご出演いただいた小川さやかさんの姿が! 20分ほどの雑談のあと、さやわかさんも合流し、タイトル通りのAIにはできない雑談からの流れに乗ってプレゼン「数字で見るゲンロン」が始まります。その後は久田将義さんにもご出演いただき、午前3時半頃までトークが続きました。

 

 そしていよいよ朝4時、東と上田からのあいさつで第13期友の会総会・第2部もフィナーレへ。長かった一日を振り返り、来年への展望を語りました。  これまでとは異なる広いスペースで、また友の会会員の方やシラサーの方にも出展いただき、交流の時間と場所ができた今回の総会。ぜひ次回もたくさんの方にお越しいただけたらと思います。

 総会の模様はシラスの専用チャンネルを通じて、5月末までアーカイブ動画をご覧いただけます。総会にお越しいただいた方も、現地には行けなかったけど……というかたも、ぜひお楽しみください!

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★1 2023年3月19日のツイート。URL= https://twitter.com/hazuma/status/1637200424943116288?s=20

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