『ショベルカーとギリシア──鈴木忠志対話集』発売!──電子書籍レーベル「ゲンロンセレクト」第3弾

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webゲンロン 2024年8月22日 配信

 

 批評誌『ゲンロン』から選りすぐりの記事を収録した電子書籍レーベル「ゲンロンセレクト」。その第3弾となる『ショベルカーとギリシア──鈴木忠志対話集』が発売されました。

 日本を代表する演出家はなぜ畑を耕すのか──。

 テロが猖獗を極めた2015年から、コロナ禍の2021年にわたって行われた3つのインタビューを収録。鈴木忠志さんが演劇の枠を越えて、芸術と社会、批評を語った貴重な対話を電子書籍にしました。

【収録インタビュー】
鈴木忠志+東浩紀 司会=上田洋子「演劇、暴力、国家」
鈴木忠志 聞き手=大澤真幸+東浩紀「人間は足から考える」
鈴木忠志 聞き手=東浩紀+上田洋子「ショベルカーとギリシア」

 

『ショベルカーとギリシア──鈴木忠志対話集』

著者:鈴木忠志

価格:770円(税込)

販売先:Amazon Kindleストア

1 コメント

  • watamama2025/09/22 16:50

    皆さん今すぐ買いましょう!!安いし読みやすいし、 上田さん・東さんがどのように鈴木忠志さんに出会ったか、どれだけ鈴木さんが凄いのか、恐ろしいのか、ラディカルなのか、魅力がぎゅぎゅっと凝縮しており、とても面白かった。 (2025/8/23に今年のサマーシーズンを観劇された上田さんと東さん の「東浩紀突発#197 利賀とは何か」を見て、この本が紹介されており急いで読みました。) 上田さん、以前がっつり関わっていたとは…それはガッツも馬力もありますよ…。 最後のインタビューをゲンロン12で読んだはずなのにすっかり詳細を失念しており、しかしながらそのインタビューは10年前、鈴木忠志さんがゲンロンに初めてご登壇されてからのシリーズであることを初めて知り、こうやって通して読むと理解が深まるというか、鈴木さんの凄みが立ち上がります。その一貫性、継続性、圧倒されます。 最初のゲンロンカフェイベントでの冒頭「なにも演劇は好きでやっているわけではない」という衝撃の発言から、一気読みしました。その当時でも75歳超えていらっしゃるのに、50歳くらいの脂がのった企業経営者のようなトーン(話の引き出しの多さに、話の巧さに、引き込まれます!)で「現演劇界」を、SCOTという揺るぎない実体を持って、ぐさりと批評する、痺れました。鈴木忠志が考える「演劇人」の問題と東さんの考える「批評」の問題、全く同じ構図だ。 寺山や唐十郎との違いやシェイクスピアとギリシア演劇との違いなど、(どちらが優れているではなく)とても面白かった。 (夫にその話をしたら、シェイクスピアの演劇について高山宏の「奇想天外・英文学講義」書いてあるから読むといいと言われ、補足的に面白く読みました。) 演劇と言っても、今私が考える演劇とギリシア演劇はかなり違う物で、もっと「身体性」や「複数性」を伴うということ。これは本当に見てみたい。 歩き方を非常に重視しているそうですが、ちょっとネットで映像を見てみると、 非常に個人的な見解で恐縮ですが、立ち方が仏像や金剛力士像のように見えました。近代以前の身体性は、体に力を入れる場所(丹田?)が違うと、こうも立ち居振る舞いが違うのか、と素人考えに感心しました。 日本人の文化的身体性について深く考えておられ(神楽も独特ですものね)、それを演劇に…というよりも、そもそも演劇というのは多分に音楽や舞踊などの身体性と不可分であること、文字で書かれた小説の歴史よりずっとながく、人間は演劇という形態で「物語」を共有していたし、そして演劇は同時に歴史でもあったのだろうことを、考えさせられました。 そこを「掘り返して」(ショベルカーではないけれど…)一から組み直す、 “恐ろしく”パワフルで、かつ頭とセンスの切れ味に驚きを隠せませんでした。 全共闘時代、一方で都はるみ、ちあきなおみ、島倉千代子という「理念」とはほど遠い「情念」で動く世界の音楽を人々は楽しんでいた(意訳)その事実が非常に重要なんだと鈴木さんが仰っていて、壮大な歴史への視野と現代の芸能とをきちんと接続させる。(そりゃ東さんをかわいがる訳あるし、かけた言葉が ことばが「がんばんなさい!」って、いい話過ぎ。) 「鈴木さんの演劇は不条理演劇と間違って認識される」と東さんも仰っていたけれど(たぶん)、全然ちがうものに、映像だけをみただけですが、思いました。 コロナを経ても持続可能へと常に新しい路を探るそのアンテナ、交渉力、実行力。優秀なビジネスマンとしての一面も鮮やかだった。 大学で建築を学んだので、よくコンセプトを自分で考えて新しい街作りのお題が出たのですが、本当にやっていた人が、ウォルト・ディズニー 以外に日本にいたとは!!知らなかったとは本当に情けない。今からでも遅くないのでいつか行ってみます。 また色々な演劇についても教えてもらいたいです。どうぞよろしくお願いします。

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