新電子書籍レーベル「ゲンロンセレクト」創刊──4月10日までの入会で友の会会員にもプレゼント!

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webゲンロン 2024年3月8日 配信
webゲンロン 2024年3月15日 更新

 

 株式会社ゲンロンは、新しい電子書籍レーベル「ゲンロンセレクト」を創刊します。

 第1弾として、4月10日刊行の『ゲンロン16』より、東浩紀の論考『ウクライナと新しい戦時下』を先行配信いたします。

 「ゲンロンセレクト」は、批評誌『ゲンロン』の選りすぐりの記事・特集を電子書籍化したものです。

 『ゲンロン』は2015年の創刊以来、高い評価をいただいてきました。2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった際には、A.ドゥーギンらの論考を掲載した「ロシア現代思想特集」を組んでいた『ゲンロン6』『ゲンロン7』に注目が集まり、多くの方に手に取っていただきました。

 しかし他方で書店の実店舗数の減少などが続くなか、本誌のバックナンバーを気軽に手に取っていただくことが難しい状況になってきているのも事実です。こうしたなかで、発売から時間が経過したものの、いまあらためて世に問いたいもの、あるいは過去に話題を集めたものを、より入手しやすい形態で販売し、読者のみなさまに広く届けていくことも本レーベル創刊の目的のひとつです。

 第1弾の東浩紀による「ウクライナと新しい戦時下」は2023年11月に行なった現地取材に基づく論考です。取材から見えてきたのは、SNSが発達した消費社会が「戦時下」までもリアルタイムに飲み込んでいく姿でした。

 

 また創刊を記念し、現在ゲンロン友の会第14期会員の方と、2024年4月10日までに入会された新規会員の方に特別に今号をプレゼントいたします。この機会に、ゲンロン友の会への入会もご検討ください。

※ゲンロン友の会について詳しくはこちら

 

ゲンロンは今後もアーカイブ性と時事性の両面を念頭に置きつつ、情報発信を行ってまいります。今後の活動にもご期待ください。

 

■詳細

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ゲンロンセレクト 001
ウクライナと新しい戦時下
東浩紀 著

発売予定日:2024年3月15日
価格:550円(税込)
販売ストア:Amazon Kindleストア

1 コメント

  • Hiz_Japonesia2024/03/27 14:55

    東さんのTwitterを拝見していたら『ウクライナと新しい戦時下』「何か感想を書いてほしい」とのことだったので、応答責任から何かしら書かせていただきます。『ウクライナと新しい戦時下』のkindle版を購入し、iPhoneのボイスオーバー機能で聴かせていただきました。 より本格的には、シラス番組【特別放送:東浩紀×上田洋子「ゲンロンが見たウクライナのいま・速報&お土産編」】に書かせていただくつもりですが、私はイスラエルのガザ攻撃によって東さんと上田さんのウクライナ戦時報告に対する観方が変化しました。ハサン中田考先生のご意見を捉え直し、ロシアにもウクライナにも、イスラエルにもアラブ民族主義にも、アメリカにも日本にも、重低音のように流れている「国民国家の偶像崇拝性(≒今だけ主義)」ということを強く意識するようになりました。小泉八雲が『知られぬ日本の面影』か『出雲再訪』という文章のどちらかで、日清戦争の頃の日本について「子供のおもちゃにいたるまで日清戦争ものブームがおきている」「中国人を虐げることを囃し立てる歌が流行している」と描写しています。いまのウクライナやイスラエルそっくりです。なので、平和時に流通するにしろ、戦争時に流通するにしろ、「国民国家の偶像崇拝性(≒今だけ主義)」を支えるにあたって同じような役割を果たすことは、もともとポップカルチャーの本質的な部分なのではないか?と思うようになったのです。『ウクライナと新しい戦時下』でポップカルチャーの問題以上に気になったのは、日本人が「ウクライナにおける戦争の話題について(飽きたかのように)熱心に語らなくなっている」ことについての指摘です。結局、マスコミ、特にテレビがガザ問題などを取り上げてウクライナでの戦争を取り上げなくなったからだと思うのですが、このインターネットの時代になって約20年、そろそろ「テレビが何を取り上げて何を取り上げないかに視聴者の話題が大きく左右される」ことから脱却しなければマズイのではないか?と、私は思っています。その点、シラスの番組【三牧聖子×青山直篤×東浩紀「アメリカはなぜトランプを欲望するのか?──米大統領選に見る民主主義の盲点と可能性」】は、とてもよかったです。たまたま、青山直篤さんもフランシス・フクヤマ関係で関わっておられた『人類の終着点』(朝日新書、2024.)を、トッドの切り抜き記事に興味をもって番組視聴以前に購入していましたし、昨年「司馬遼太郎記念館友の会」に約10年ぶりに入り直したのですが、第27回司馬遼太郎賞受賞者の岡典子さんと三牧聖子さんの対談記事も番組視聴以前に拝読していたからです。「国民国家形成の言論空間」を<手作り感>あるものにし続ける営為でしか、「国民国家の偶像崇拝性(≒今だけ主義)」が生む負の側面にブレーキをかけることはできないと思うからです。ここ1~2年で、社会のリーダーシップを果たしくれるであろうと思って選民的特権的意識の振る舞いを許容していた芸能人や有名人が単なる利己主義者にすぎないかもしれない、ことが露わになる現実を経験してきました。 その中で、東浩紀『ウクライナと新しい戦時下』(ゲンロンセレクト001)は、そんな危い繁栄に馴れ切った現代日本に警鐘をならす、正岡子規や開高健の仕事に連なる、短いながら珠玉の戦時報告文です。

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