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最終更新 2024/11/12 18:30

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NEW!YouTube番組「今週の人文ウォッチ」、12月7日(土)21:00〜毎週放送スタート!

・レギュラーメンバーはゲンロン編集部(人文ウォッチ担当)の植田将暉とメディア論・社会学研究者の山内萌さんです。
NEW!「マンガ図書館Z」「メロンブックス」がクレジットカード決済の中止やwebサイト自体の停止(前者)を相次いで発表。決済サービスと表現規制があらためて論点に。【11/7-8】
・刊行前書籍のゲラの取り扱いや出版・書店業界の慣習、出版社のプロモーションのあり方などが話題に。【10/28-30】

 

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NEW! ハン・ガン死去のフェイクニュースがXで拡散

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2024年11月11日夜、「ノーベル賞受賞作家ハン・ガンがソウルで交通事故にあい死去した」という内容のポストが、Changbi Publishers(ハン・ガンなどの著作を刊行している出版社)を名乗るアカウントにより投稿され、一時的に広く拡散された。

当該投稿はすでに削除済み。ただしアカウントは、現在はアイコン写真と名前を、同じくノーベル受賞作家のスヴェトラーナ・アレクシェービッチに変えて存在し続けている。

ハン・ガンについては、ノーベル賞受賞時にも偽のアカウントが本人のコメントを捏造して投稿するということがあった。今回のアカウントと同じである、という指摘もある。受賞時の偽アカウントについては、「イタリア人ジャーナリスト」のTommaso Debenedettiなる人物が運営していたことが伝えられている。

この人物は、「SNSがニュースメディアとしては信用できないことを示すために」と主張し、過去にもローマ教皇やミラン・クンデラ、カズオ・イシグロなどの虚偽の訃報をXで拡散している。昨年にはノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセにもなりすましていた。それらの手法は今回と同様、出版社や有名人になりすましたアカウントから死去のフェイクニュースを投稿するというもの。

偽アカウントにご用心。

▷参考記事
・「ハン・ガンさんの偽「公式アカウント」 イタリア人記者なりすまし」、朝日新聞デジタル、2024年10月11日。URL=https://digital.asahi.com/articles/ASSBC0BQGSBCUHBI03BM.html
・“El “asesino de Twitter” dijo haber anunciado el Nobel de Literatura antes que la Academia Sueca,” La Nacion, 10 de octubre de 2024. URL=https://www.lanacion.com.ar/cultura/desde-una-cuenta-falsa-de-han-kang-el-asesino-de-twitter-anuncio-el-nobel-de-literatura-antes-que-la-nid10102024/
・“Twitter hoaxer comes clean and says: I did it to expose weak media,” The Guardian, 30 Mar 2012. URL=https://www.theguardian.com/technology/2012/mar/30/twitter-hoaxer-tommaso-de-benedetti

2024年11月12日

NEW! 第46回サントリー学芸賞の受賞作が発表

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2024年のサントリー学芸賞が発表された。受賞作は以下の通り。

〔政治・経済部門〕
・牧野百恵『ジェンダー格差──実証経済学は何を語るか』(中公新書)
・萬代悠『三井大坂両替店──銀行業の先駆け、その技術と挑戦』(中公新書)
〔芸術・文学部門〕
・片岡真伊『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題──文化の架橋者たちがみた「あいだ」』(中公選書)
・呉孟晋『移ろう前衛──中国から台湾への絵画のモダニズムと日本』(中央公論美術出版)
〔社会・風俗部門〕
・柴田康太郎『映画館に鳴り響いた音──戦前東京の映画館と音文化の近代』(春秋社)
・渡辺将人『台湾のデモクラシー──メディア、選挙、アメリカ』(中公新書)
〔思想・歴史部門〕
・小林亮介『近代チベット政治外交史──清朝崩壊にともなう政治的地位と境界』(名古屋大学出版会)
・中村達『私が諸島である──カリブ海思想入門』(書肆侃侃房)

近年、学術的な手堅いテーマを中心にヒット作を飛ばしている中公新書が、受賞8作品のうち3作品を占める結果に👀

▷『私が諸島である』で受賞された中村達さんは、webゲンロンでも記事をご執筆いただきました。(ウォッチャーの編集者としての仕事でもあります。)

「カリブ海の記憶と逃走/闘争する奴隷たち──ポスト西洋的な「自由」概念としてのマルーン化」、webゲンロン、2024年3月19日。URL=https://webgenron.com/articles/article20240319_01

2024年11月12日