さやわか×大井昌和×東浩紀「マンガは歴史と社会を語れるか2――大学紛争と『ビューティフル・ドリーマー』の問題、あるいは大塚英志とジェンダーについて」ダイジェスト
2020年1月9日、ゲンロンカフェでの新年初のイベントとして「マンガは歴史と社会を語れるか2――大学紛争と『ビューティフル・ドリーマー』の問題、あるいは大塚英志とジェンダーについて」が開催されました。
本イベントは批評家のさやわかさんとマンガ家の大井昌和さんが不定期で送る「ニッポンのマンガ」シリーズであり、前年に美少女コミック研究家・稀見理都氏と東浩紀がした「マンガは歴史と社会を語れるか」の続編にあたります。第一弾ではマンガ家の安彦良和さんと山本直樹さんをめぐる熱い議論が、大きな話題を呼びました。
続編となる今回は、安彦と山本の接点である1972年の連合赤軍事件(山岳ベース事件+あさま山荘事件)を出発点に、学生運動におけるジェンダーの問題や、大塚英志の批評観、マンガ表現における「描線」の役割から『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』をめぐる高橋留美子と押井守の立場の相違まで、多岐にわたる議論が繰り広げられました。その総時間はなんと7時間。
このイベントの模様は、2020年夏刊行の『ゲンロン11』に掲載される予定です。『ゲンロンα』ではその前半部分を「永田洋子と「かわいい」の思想――マンガは歴史を語れるか・特別編」として先行公開いたします。連合赤軍の主導者である永田洋子の獄中記の「文体」を手がかりに、大塚英志が見落とした彼女の一面に迫ります。『ゲンロン11』には、永田とラムちゃんの意外な関係が語られる本記事の全篇のほか、安彦良和さん、マンガ家の武富健治さん、東浩紀によるもの、山本直樹さん、さやわかさん、東浩紀によるものの、3つの鼎談が収録される予定です。こちらもご期待ください。
またこのイベントは全篇をVimeoでも公開しております。下記のリンクから、7時間を超える白熱の議論の模様を、ぜひ御覧ください。
URL=https://vimeo.com/ondemand/genron20200109